ダイエットは「食べない」だけではうまくいかない?体を整えて痩せやすくする考え方

「食べる量を減らしているのに、なかなか痩せない」

「最初は体重が落ちたのに、途中からまったく変わらなくなった」

「ダイエットをすると疲れやすくなったり、冷えたりする」

こうした悩みは珍しくありません。

ダイエットというと、どうしても摂取カロリーを減らして体重を落とすことに意識が向きがちです。

もちろん、体脂肪を減らすためにはエネルギー収支は重要です。しかし、実際の体はそれほど単純ではありません。

睡眠、自律神経、筋肉量、腸内環境、血糖の安定、ホルモン、栄養状態など、さまざまな要素が関係しています。

そのため当院では、ダイエットについても「とにかく食べない」のではなく、体がエネルギーを適切に使える状態をつくることが大切だと考えています。

目次

食事を減らせば体重は落ちる。でも……

摂取するエネルギーが消費するエネルギーより少なくなれば、基本的には体重は減少していきます。

しかし、極端な食事制限を長期間続けると、

  • 疲れやすい
  • 集中力が低下する
  • 冷えを感じる
  • 筋肉量が減る
  • 便秘になりやすい
  • 睡眠の質が低下する
  • 女性では月経周期が乱れる

といった変化が起こることがあります。

特に注意したいのが、体脂肪だけではなく筋肉まで落としてしまうことです。

筋肉量が減少すると消費エネルギーにも影響するため、「体重は減ったけれど以前より痩せにくい」という状態につながることがあります。

ダイエットでは体重計の数字だけを見るのではなく、何が減っているのかを見ることが大切です。

糖質を極端に減らしすぎない

ダイエットでは「糖質=太る」というイメージを持っている方も少なくありません。

しかし糖質は、体や脳を動かすための重要なエネルギー源です。

問題なのは糖質そのものというより、甘い飲み物やお菓子などを頻繁に摂ることや、活動量に対してエネルギー摂取が多くなっていることです。

反対に、主食まで極端に減らしてしまうと、エネルギー不足から疲れやすくなり、日常の活動量が落ちてしまう場合があります。

当院では栄養について考える際、お米などの主食を適量食べながら体の状態を整えていくことを大切にしています。

「食べない体」ではなく、食べたものをきちんとエネルギーとして使える体を目指すイメージです。

腸内環境もダイエットに関係する

ダイエットを考えるうえで、意外と見落とされやすいのが胃腸の状態です。

例えば、

  • 食後にお腹が張る
  • 便秘や下痢を繰り返す
  • 食後に強く眠くなる
  • 甘いものが欲しくなる
  • 食事をするとすぐ疲れる

といった状態がある場合、単純に食事量だけを減らすよりも、まず食事内容や消化・吸収の状態を見直したほうがよいことがあります。

栄養は「食べた量」だけではなく、消化して、吸収して、利用するところまでが大切だからです。

腸内環境を整えることは、ダイエットだけではなく、肌や自律神経、体調管理という意味でも重要になります。

睡眠不足やストレスも見逃せない

「食事も運動も頑張っているのに痩せにくい」

そんなときには、睡眠やストレスについても確認してみましょう。

睡眠不足が続くと食欲調節に関係するホルモンなどに影響し、食欲が強くなったり、高カロリーな食品を欲しくなったりすることがあります。

また、強いストレスが続けば自律神経やHPA軸(視床下部―下垂体―副腎系)にも影響します。

その結果、

「疲れているから甘いものが欲しい」

「夜になると食欲を抑えられない」

「食事制限をするとさらにイライラする」

という状態になることもあります。

この場合、意思の強さだけで食欲を抑えようとするより、睡眠やストレスを含めて生活全体を整えることが重要です。

東洋医学では「痩せにくさ」をどう考える?

東洋医学では、同じ「痩せにくい」という悩みでも、体の状態によって考え方を変えていきます。

例えば、むくみや体の重だるさが目立つ人と、疲労や冷えが強い人では、同じアプローチにはなりません。

食事を減らしすぎて疲労が強くなっている場合には、さらに食事を減らすことで体調を崩してしまう可能性もあります。

一方、むくみや胃腸の重さが目立つ場合には、食事内容や胃腸の状態を見直すことが重要になります。

つまり、「太っているから食べる量を減らす」という一方向の考え方ではなく、その人がなぜ痩せにくくなっているのかを考えることが大切です。

体重よりも「体の変化」を見る

ダイエット中は、どうしても毎日の体重が気になります。

しかし体重は、水分量、便通、塩分摂取量、女性では月経周期などによっても変動します。

そのため、

  • 疲れにくくなった
  • むくみにくくなった
  • 食後の眠気が減った
  • 甘いものへの欲求が減った
  • 睡眠が安定した
  • 便通が改善した
  • 肌の状態がよくなった
  • ウエスト周囲が変化した

といった変化も大切な指標です。

体重だけを追いかけるより、体全体がどの方向に変化しているかを見ていくほうが、長期的な体質改善につながります。

ダイエットは「削る」だけではなく「整える」

ダイエットという言葉には、「食べない」「我慢する」「減らす」というイメージがあります。

しかし、長く健康を維持することまで考えるのであれば、

必要なものはしっかり食べ、余分なものを減らし、体がエネルギーを使いやすい状態に整える。

この考え方が大切です。

特に、何度もダイエットとリバウンドを繰り返している方、食事を減らすとすぐに体調を崩してしまう方は、「もっと減らす」以外の視点が必要かもしれません。

ダイエットは単なる体重管理ではありません。

腸内環境、栄養、自律神経、睡眠、運動、ホルモンなどを含めて体全体を見直す機会と考えることで、無理なく健康的な体づくりにつなげていくことができます。

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