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「湿熱タイプ」~血糖コントロールの乱れが卵巣に与える影響とは~

これまで、

・陰虚タイプ
・陽虚タイプ
・脾虚タイプ

についてお話ししてきました。

今回は、妊活でよくみられる**「湿熱タイプ」**について解説します。

東洋医学では「湿熱」とは、身体の中に余分な水分(湿)と熱(炎症)が停滞した状態を指します。

現代医学の視点から見ると、湿熱タイプには、

  • 血糖コントロールの乱れ
  • インスリン抵抗性
  • 慢性炎症
  • 脂質代謝異常

などが関係していることが少なくありません。

特に、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方では、このタイプが多くみられます。


湿熱タイプの特徴

湿熱タイプでは、次のような症状がみられることがあります。

・生理周期が長い

・排卵しにくい

・ニキビができやすい

・皮脂が多い

・むくみやすい

・身体が重だるい

・食後に強い眠気がある

・甘いものや炭水化物がやめられない

・体重が増えやすい

もちろん、やせ型のPCOSの方にもみられることがあります。

そのため、体型だけで判断することはできません。


血液データでは何を見るのか

湿熱タイプでは、

・中性脂肪が高い

・HDLコレステロールが低い

・空腹時インスリンが高い

・HbA1cは正常でも食後血糖が乱れやすい

・LHが高い

・AMHが高い

といった傾向がみられることがあります。

一方で、空腹時血糖だけでは異常が見つからない方も少なくありません。

そのため、血糖値だけでなく、食後の眠気や食欲、体調の変化なども重要な情報になります。


なぜ血糖コントロールが大切なのでしょうか

食事をすると血糖値が上がります。

すると膵臓からインスリンが分泌され、血糖値を適切な範囲に保とうとします。

しかし、この状態が長く続くと、細胞がインスリンに反応しにくくなり、「インスリン抵抗性」が起こることがあります。

すると、より多くのインスリンが必要となり、その影響は卵巣にも及びます。

インスリンが過剰になると、卵巣では男性ホルモン(アンドロゲン)の産生が増え、卵胞が成熟しにくくなることがあります。

その結果、

・排卵障害

・月経不順

・PCOS

につながる場合があります。


湿熱は「糖質が悪い」という意味ではありません

糖質は、身体にとって重要なエネルギー源です。

極端に糖質を制限すると、一時的に血糖値は下がるかもしれませんが、代わりに副腎へ負担がかかり、甲状腺機能やホルモンバランスに影響することもあります。

当院では、

「糖質を減らすこと」ではなく、「血糖値を安定させること」

が大切だと考えています。

そのため、

・食事内容の見直し

・食べる順番

・たんぱく質や食物繊維との組み合わせ

・適切な糖質量

を一人ひとりに合わせて考えていきます。


東洋医学からみた湿熱

東洋医学では、湿熱は「脾」の働きが低下すると生じやすいとされています。

つまり、消化吸収がうまくいかず、水分代謝が滞ることで、身体の中に余分な湿がたまり、それが熱と結びついて炎症を起こしやすくなるという考え方です。

そのため、湿熱タイプであっても、背景には脾虚が隠れていることが少なくありません。

当院では、湿熱だけを取り除くのではなく、「なぜ湿熱ができたのか」という原因を大切にしています。


当院で大切にしていること

湿熱タイプでは、

・血糖コントロールを安定させる

・腸内環境を整える

・炎症を抑える

・適切な栄養を吸収できる身体をつくる

・鍼灸で自律神経や骨盤内の血流を整える

こうした取り組みを通して、卵巣が本来のリズムを取り戻せるようサポートしています。

単にホルモン値だけを見るのではなく、その背景にある代謝や生活習慣を整えることが、妊娠しやすい身体づくりにつながると考えています。


次回予告

次回は、このシリーズの最後となる「瘀血タイプ」です。

慢性的な炎症や血流低下が、子宮筋腫や子宮内膜症、子宮腺筋症、不妊とどのようにつながるのか、そして当院が考える「瘀血」の改善について詳しくお伝えします。

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