妊活を始めると、「葉酸を摂りましょう」と言われる機会が増えます。
最近では、通常の葉酸ではなく「活性型葉酸(5-MTHF)」を選ぶ方も増えてきました。
しかし、実は活性型葉酸を摂るだけで十分とは限りません。
葉酸は体の中でさまざまな栄養素と協力しながら働いています。今回は、葉酸をより効率よく活用するために知っておきたい栄養素についてお伝えします。
なぜ活性型葉酸が注目されているの?
一般的なサプリメントに含まれる葉酸(フォリックアシッド)は、体内で何段階かの代謝を経て「5-MTHF(活性型葉酸)」に変換されて初めて利用されます。
一方で、この変換に関わる酵素(MTHFR)の働きには個人差があり、人によっては変換効率が低いことがあります。
そのため、最初から活性型葉酸を摂取することで、より利用されやすいと考えられています。
ただし、活性型葉酸を摂っていても、それを十分に働かせるためには他の栄養素も欠かせません。
葉酸を働かせるために必要な栄養素
① ビタミンB12
葉酸とビタミンB12は常にセットで働いています。
どちらか一方が不足すると、細胞分裂やDNA合成がスムーズに進みにくくなります。
妊活では、受精卵の発育や胎盤形成など細胞が盛んに増える時期だからこそ、B12も重要になります。
特に次のような方は不足しやすいため注意が必要です。
- 胃酸分泌が少ない方
- 胃薬を長期間服用している方
- 動物性食品をあまり食べない方
② ビタミンB2
あまり知られていませんが、ビタミンB2は葉酸代謝に関わる酵素(MTHFR)が働くために必要な補酵素です。
B2が不足すると、葉酸の働きが十分に発揮されない可能性があります。
③ ビタミンB6
体内では「ホモシステイン」という物質が増えすぎないように調整されています。
ビタミンB6は、このホモシステインを別の経路で代謝するために必要な栄養素です。
葉酸・B12・B6は、お互いに協力しながら代謝を支えています。
④ コリン
近年、妊活や妊娠中の栄養として注目されているのがコリンです。
コリンは葉酸とは別のルートでホモシステインの代謝を助けるため、葉酸代謝をサポートする重要な栄養素です。
多く含まれる食品には、
- 卵黄
- レバー
- 大豆製品
- 魚
などがあります。
⑤ 亜鉛
亜鉛は細胞分裂やDNA合成に欠かせないミネラルです。
妊活では、
- 卵胞の発育
- 卵子の成熟
- 精子形成
- 着床環境
など幅広く関わっています。
⑥ マグネシウム
体内では数百種類以上の酵素反応に関わる重要なミネラルです。
葉酸を含めたビタミンB群の働きやエネルギー産生もサポートしているため、慢性的に不足している方は少なくありません。
葉酸だけではなく「チーム」で考えることが大切
妊活では、「葉酸だけ飲めば安心」というわけではありません。
葉酸が働くためには、
- 活性型葉酸
- ビタミンB12
- ビタミンB2
- ビタミンB6
- コリン
- 亜鉛
- マグネシウム
など、多くの栄養素が協力し合っています。
さらに、これらを吸収するためには胃腸の状態が整っていることも重要です。
当院が大切にしている考え方
当院では、栄養素を一つだけ見るのではなく、
「腸で吸収され、肝臓で代謝され、細胞で利用される」
という一連の流れを大切にしています。
東洋医学でも、「胃腸(脾胃)」は気血を作る源と考えられています。
せっかく良いサプリメントを飲んでいても、吸収や代謝がうまくいかなければ十分に活かすことはできません。
妊活では、葉酸だけでなく体全体の代謝を整えることが、赤ちゃんを迎える準備につながります。
毎日の食事や生活習慣、そして必要に応じた栄養サポートを組み合わせながら、ご自身の体質に合った妊活を進めていきましょう。
