~リーキーガットと肝門脈から考える体質改善~
当院では、
妊活や生理不順、自律神経の不調、慢性疲労などのご相談を受ける際に、
「腸の状態」
をとても重視しています。
すると時々、
「症状は子宮や卵巣なのに、なぜ腸が関係するのですか?」
というご質問をいただきます。
その理由の一つが、
腸と肝臓が非常に深くつながっているからです。
今回は、
なぜ腸の不調が肝臓の負担となり、
ホルモンや自律神経にまで影響するのかについてお話しします。
腸と肝臓は一本の血管でつながっている
私たちが食べたものは、
胃や小腸で消化され、
腸から吸収されます。
吸収された栄養は、
全身へ運ばれる前に、
まず肝臓へ送られます。
その時に通る血管が、
「肝門脈(かんもんみゃく)」です。
つまり肝臓は、
腸から届いたものを最初に受け取る臓器なのです。
例えるなら、
肝臓は体の入り口にある検問所のような存在です。
必要なものは通し、
不要なものは処理する。
そんな重要な役割を担っています。
本来、腸は必要なものだけを吸収している
健康な腸には、
体に必要な栄養を吸収し、
不要なものを体内へ入れない仕組みがあります。
腸の壁は非常に薄いのですが、
細かいフィルターのように働いています。
そのおかげで、
私たちは食べ物から栄養を取り込みながらも、
有害な物質から体を守ることができます。
腸の壁が傷つくとどうなるのか
しかし、
- ストレス
- 睡眠不足
- 食生活の乱れ
- 過度な糖質摂取
- 慢性的な炎症
- 栄養不足
などが続くと、
腸の壁が荒れてしまうことがあります。
近年では、
この状態を「リーキーガット(腸管透過性亢進)」と呼ぶことがあります。
リーキーとは、
「漏れる」という意味です。
本来なら通さないはずの物質が、
腸の壁から体内へ入りやすくなった状態です。
肝臓は後始末に追われる
腸から不要なものが入り込むと、
それらは肝門脈を通って肝臓へ運ばれます。
すると肝臓は、
本来の仕事に加えて、
それらを処理する仕事まで抱えることになります。
肝臓の仕事は非常に多く、
- ホルモン代謝
- エネルギー代謝
- 解毒
- 栄養の加工
- ビタミンやミネラルの貯蔵
などを行っています。
そこへさらに余分な負担が加わると、
肝臓は常に忙しい状態になります。
肝臓が忙しくなると何が起こる?
肝臓が余裕を失うと、
体にはさまざまな変化が現れます。
例えば、
- 疲れやすい
- 朝起きられない
- 甘いものが欲しくなる
- むくみやすい
- PMSが強くなる
- のぼせる
- 頭痛が出る
などです。
一見するとバラバラの症状に見えますが、
背景には肝臓の負担が隠れていることがあります。
女性ホルモンとの関係
肝臓は女性ホルモンの代謝にも関わっています。
役目を終えたエストロゲンは、
肝臓で処理されて排出されます。
しかし肝臓が忙しくなると、
ホルモン代謝にも影響が出る可能性があります。
その結果、
- PMS
- 生理痛
- むくみ
- 胸の張り
- 子宮筋腫
などにつながることがあります。
もちろん原因は一つではありません。
しかし腸と肝臓の状態は、
ホルモン環境を考える上で非常に重要な要素です。
東洋医学で考える「脾」と「肝」
東洋医学では、
腸や消化吸収の働きを「脾」と考えます。
そして肝臓や巡りの働きを「肝」と考えます。
脾が弱ると、
十分な栄養を作れなくなります。
その結果、
肝も十分に働けなくなります。
当院では、
脾虚(消化吸収力低下)が続くことで、
肝の働きが低下し、
ホルモンや自律神経にも影響していくと考えています。
妊活で腸が重要な理由
妊活では、
卵巣や子宮に意識が向きやすくなります。
もちろん大切なことです。
しかし、
卵子を育てるためにも、
ホルモンを作るためにも、
まず栄養が必要です。
そしてその栄養を吸収するのは腸です。
さらに、
吸収した栄養を加工し、
ホルモン代謝を行うのは肝臓です。
つまり、
妊活の土台には、
腸と肝臓の健康があるのです。
まとめ
腸と肝臓は、
肝門脈という血管によって密接につながっています。
腸が健康であれば、
肝臓の負担も少なくなります。
しかし、
腸の壁が荒れたり、
腸内環境が乱れたりすると、
肝臓は余計な仕事を抱えることになります。
その結果、
- ホルモンバランスの乱れ
- 自律神経の乱れ
- 慢性疲労
- PMS
- 妊活の不調
などにつながることがあります。
当院では、
症状だけを見るのではなく、
その背景にある腸と肝臓の状態を整えることを大切にしています。
体質改善とは、
不調の出ている場所だけでなく、
その原因となる土台から見直していくことだと考えています。
