「めまいが増えてきた」
「眠りが浅く、途中で目が覚める」
「なんとなく体が満たされていない感じがする」
こうした症状がある場合、東洋医学でいう**血虚(けっきょ)**の状態が関係している可能性があります。
血虚は自覚しにくい体質ですが、身体にはいくつか特徴的なサインが現れます。
今回はセルフチェックとともに、血虚の背景にどのような問題があるのかを解説します。
血虚について症状・原因・改善方法まで全体的に知りたい方は、まずこちらの記事をご覧ください。
→ 血虚とは?症状・原因・改善方法を東洋医学からわかりやすく解説
血虚セルフチェック
以下の項目で当てはまるものを確認してみてください。
■ 基本症状
・めまい、立ちくらみがある
・疲れるとフラフラする
・顔色が青白いと言われる
■ 目・神経系
・目が疲れやすい
・目がかすみやすい
・集中力が続かない
■ 睡眠
・寝つきが悪い
・途中で目が覚める
・夢をよく見る
■ 髪・皮膚・爪
・抜け毛が増えた
・髪が細くなった
・肌が乾燥しやすい
・爪が割れやすい
判定の目安
・3〜5個 → 血虚傾向
・6個以上 → 血虚体質の可能性が高い
ただし、このチェックだけで血虚を判断できるわけではありません。
似た症状は気虚や陰虚など、ほかの体質でもみられます。
特に「疲れやすい」「食後に眠くなる」「身体がだるい」といった症状が強い場合には、血虚だけではなく気虚が背景にある可能性も考える必要があります。
血虚と気虚の違いについてはこちらで詳しく解説しています。
血虚の本質とは?
血虚は単に「血が足りない状態」と思われがちですが、臨床ではもう少し深い視点が必要です。
大切なのは、
「血が足りない」という結果だけではなく、「なぜ血を十分に作れなくなったのか」を考えることです。
東洋医学では、食べたものから「気」や「血」を作る働きに胃腸(脾胃)が深く関係すると考えます。
そのため、食事から十分な栄養を摂っていたとしても、胃腸の働きが低下していれば、身体を養うためにうまく利用できないことがあります。
なぜ血が作れなくなるのか?
ここが血虚を考えるうえで非常に重要なポイントです。
例えば、
気虚(エネルギー不足)
↓
胃腸機能・消化吸収力の低下
↓
身体に必要な栄養を十分に利用できない
↓
血を養う力が低下する
↓
血虚
という流れが考えられます。
つまり血虚があるからといって、「血を増やすものを摂ればいい」とは限りません。
なぜ血虚になっているのか、その一つ前の段階を見ることが大切です。
胃腸と栄養の関係については、こちらの記事で詳しく解説しています。
見逃されやすい「気虚がベースにある血虚」
血虚の症状がある方の中でも、
・食後に眠くなる
・日中のだるさが強い
・朝から疲れている
・食事をすると疲れる
・胃腸の調子が安定しない
このような症状がみられる場合は、血虚だけを見るのではなく、気虚がベースにないかを考えることも重要です。
血を養うためには、まず身体に栄養を取り込み、それを利用するための土台が必要だからです。
そのため当院では「血虚」という体質名だけで判断するのではなく、その血虚がどのような過程で起きているのかを見ています。
不眠がある場合は自律神経も考える
血虚では、
・寝つきが悪い
・途中で目が覚める
・夢をよく見る
・眠りが浅い
といった睡眠の問題がみられることがあります。
東洋医学では「血」は身体を養うだけでなく、精神活動とも関係すると考えます。
一方、実際の身体では睡眠は自律神経やストレス、生活リズムなどさまざまな要因の影響を受けます。
そのため「血虚だから不眠」と単純に考えるのではなく、血虚と自律神経の両方から身体を見ることが大切です。
血虚=鉄分を増やせばいい、ではありません
血虚というと、
「鉄分を摂ったほうがいいのでは?」
「もっと栄養を増やしたほうがいいのでは?」
と考えがちです。
しかし、栄養を増やすだけでは改善しないケースもあります。
なぜなら、
・十分に消化できていない
・腸から吸収できていない
・身体の中でうまく利用できていない
という問題が隠れていることがあるためです。
大切なのは、何が不足しているかだけではなく、なぜ不足する身体になっているのかを見ることです。
血虚改善の第一歩は「作れる身体」にすること
血虚を改善していくためには、
「栄養を入れる」だけではなく、「栄養を利用して血を養える身体を作る」
という視点が重要です。
そのためには、
・食事量を見直す
・胃腸機能を整える
・腸内環境を整える
・睡眠を確保する
・自律神経を整える
・身体の消耗を減らす
など、その人の状態に合わせて順番を考えていきます。
血虚を体質から改善していく考え方についてはこちらをご覧ください。
→ 血虚体質の改善方法|食事・吸収力・順番で変わる体質改善の本質
当院での血虚の考え方
はり灸院あずでは、血虚を単純な「栄養不足」として見るのではなく、
・食事や栄養状態
・胃腸機能
・腸内環境
・自律神経
・睡眠
・身体の疲労や消耗
などを含めて身体全体を見ていきます。
そのうえで鍼灸による自律神経や胃腸機能へのアプローチと、必要に応じた食事・栄養面のサポートを組み合わせています。
まとめ
血虚では、
・めまい
・立ちくらみ
・不眠
・目の疲れ
・肌の乾燥
・抜け毛
・爪が割れやすい
など、身体のさまざまな場所にサインが現れます。
しかし大切なのは、症状だけを見て「血が足りない」と考えることではありません。
なぜ血虚になっているのか。
胃腸の働きが低下しているのか、気虚があるのか、栄養が不足しているのか、ストレスや睡眠不足によって消耗しているのか。
その背景を一つずつ見ていくことが、体質改善につながります。
血虚について全体像から知りたい方はこちらの記事もあわせてご覧ください。
