~血糖値だけでは説明できない肝臓と自律神経の話~
「生理前になるとイライラする」
「家族にきつく当たってしまう」
「些細なことが気になる」
「普段なら流せることが許せなくなる」
このような経験はありませんか?
PMS(月経前症候群)の代表的な症状の一つが、
イライラや気分の不安定さです。
一般的には、
「女性ホルモンの変化」
によるものと説明されることが多いでしょう。
もちろんホルモンは関係しています。
しかし当院では、
それだけではなく、
肝臓の状態や自律神経の働きも重要
だと考えています。
イライラは心の問題ではない
イライラすると、
「気持ちの問題」
「性格の問題」
と思われがちです。
しかし実際には、
体の状態が大きく関係しています。
睡眠不足の時、
普段より怒りっぽくなった経験はないでしょうか。
強い空腹の時、
気持ちに余裕がなくなった経験はないでしょうか。
これは、
脳や神経が十分なエネルギーを受け取れていないからです。
つまり、
イライラは精神論ではなく、
体からのサインである場合があります。
生理前はエネルギー消費が増える
生理前は、
女性ホルモンの変化に伴い、
体の中ではさまざまな調整が行われています。
そのため、
普段以上にエネルギーを必要とする時期でもあります。
体に余裕がある方は問題ありません。
しかし、
もともと疲労が蓄積している方や、
栄養不足がある方は、
この変化に対応しきれなくなります。
すると、
自律神経が不安定になりやすくなります。
当院が考える脾虚との関係
東洋医学では、
消化吸収を担う働きを脾と考えます。
脾が弱ると、
食べたものから十分なエネルギーを作れなくなります。
これが脾虚です。
脾虚になると、
- 疲れやすい
- 食後に眠くなる
- 甘いものが欲しくなる
- むくみやすい
といった症状が現れます。
つまり、
体のエネルギー工場そのものが弱っている状態です。
肝臓のエネルギー不足が起こる
食事から得た糖質は、
肝臓にグリコーゲンとして蓄えられます。
肝臓は必要な時にそれを放出し、
血糖値やエネルギー状態を安定させています。
しかし、
慢性的な疲労やストレス、
食事量不足などが続くと、
肝臓のエネルギー貯蔵量が低下します。
すると、
体は常に余裕のない状態になります。
自律神経は余裕がなくなると乱れやすい
肝臓のエネルギーが不足すると、
体は交感神経を使って無理に活動しようとします。
交感神経は、
アクセルのような働きをしています。
短期間なら問題ありません。
しかし、
長期間アクセルを踏み続けると、
神経は過敏になっていきます。
その結果、
- イライラ
- 不安感
- 焦燥感
- 緊張感
が出やすくなります。
のぼせや頭痛を伴うこともある
生理前にイライラが強い方は、
同時に
- 頭痛
- 首肩こり
- のぼせ
- 顔のほてり
を訴えることがあります。
当院では、
これらを別々の問題として考えていません。
エネルギー不足によって交感神経が過剰に働き、
上半身へ熱が偏ることで起きている可能性があると考えています。
甘いものとの関係
前回の記事でお伝えしたように、
生理前に甘いものが欲しくなる方は少なくありません。
これは、
体がエネルギーを求めているサインである場合があります。
そのため、
イライラと甘いもの欲求が同時に起こることも珍しくありません。
妊活との関係
妊活中の方の中にも、
生理前のイライラや不安感に悩んでいる方がいます。
当院では、
ホルモンだけを見るのではなく、
その背景にある
- 脾虚
- 肝機能低下
- 自律神経の乱れ
- 栄養不足
を重視しています。
なぜなら、
妊娠に必要なのはホルモンだけではなく、
体全体の余力だからです。
まとめ
生理前のイライラは、
単なる性格や気持ちの問題ではありません。
その背景には、
脾虚による消化吸収力の低下や、
肝臓のエネルギー不足、
自律神経の不安定さが関わっていることがあります。
当院では、
脾虚
↓
エネルギー不足
↓
肝機能低下
↓
自律神経の乱れ
↓
PMSのイライラ
という流れも一つの視点として考えています。
症状だけを見るのではなく、
なぜ体に余裕がなくなってしまったのか。
その土台を整えることが、
PMS改善への第一歩になると考えています。
