血虚と自律神経・ホルモンの関係|不眠や不安の本当の原因

「寝つきが悪い」

「夜中に何度も目が覚める」

「夢をよく見る」

「理由はないのに不安になる」

こうした症状があると、「自律神経が乱れているのかな?」と考える方は多いと思います。

もちろん睡眠や不安感には、自律神経、ストレス、生活リズムなどさまざまな要因が関係します。

一方、東洋医学では、このような状態を考えるときに**血虚(けっきょ)**という体質にも注目します。

特に、

・疲れやすい
・めまいや立ちくらみがある
・眠りが浅い
・肌が乾燥する
・髪や爪の状態が悪い
・月経量が少なくなった

といった症状も一緒にみられる場合には、単純に「自律神経の問題」として考えるだけではなく、身体を養う土台から見直すことも大切です。

今回は、血虚と自律神経、睡眠、女性ホルモンの関係について解説します。

血虚の症状・原因・改善方法など、まず全体像を知りたい方はこちらをご覧ください。

血虚とは?症状・原因・改善方法を東洋医学からわかりやすく解説


目次

東洋医学では「血は心を養う」と考える

東洋医学でいう「血」は、現代医学における血液だけを意味するものではありません。

身体のさまざまな場所を養い、肌や髪、目、筋肉、そして精神活動などを支えるものとして捉えます。

その中でも重要なのが、**「血は心を養う」**という考え方です。

東洋医学における「心(しん)」は、心臓だけを意味するのではなく、精神活動や意識、睡眠などとも関係する概念です。

そのため血が十分に身体を養えなくなると、

・眠りが浅い
・夢をよく見る
・寝つきが悪い
・不安になりやすい
・落ち着かない
・考えすぎてしまう

といった状態が現れることがあります。

これが、東洋医学で血虚と睡眠や精神状態を結びつけて考える理由の一つです。


血虚と自律神経はどう関係する?

ここで大切なのは、

「血虚だから自律神経が乱れる」

と単純に考えないことです。

実際の身体では、

・栄養状態
・胃腸機能
・血糖の変動
・睡眠不足
・慢性的なストレス
・疲労
・女性ホルモンの変化

など、さまざまな要因が互いに影響しています。

例えば、十分に食事を摂れていない状態が続けば、身体にとっては一つのストレスになります。

胃腸の状態が悪く、食べたものを十分に消化・吸収できていない場合にも、身体を養う材料が不足しやすくなります。

そこに仕事や人間関係などの精神的ストレス、睡眠不足などが重なることもあります。

つまり、

血虚と自律神経の問題は、どちらか一方が原因というより、共通する背景を持ちながら影響し合っていることがある

と考えたほうが身体の状態を理解しやすくなります。


「休みたいのに休めない」という状態

血虚傾向のある方では、

「身体は疲れているのに眠れない」

「疲れているのに頭だけ動いている」

「夜になるといろいろ考えてしまう」

という状態がみられることがあります。

これはとてもつらい状態です。

身体には休息が必要なのに、うまく休息モードへ切り替わることができません。

その背景には、自律神経だけでなく、

・身体のエネルギー不足
・栄養状態
・胃腸機能
・慢性的なストレス
・血虚

などが重なっている可能性があります。

そのため、不眠があるからといって「リラックスすればいい」と考えるだけでは十分ではない場合があります。


血虚による不眠の特徴

東洋医学的に血虚を考える場合、不眠だけを見るのではなく、身体に現れているほかのサインも確認します。

例えば、

・めまい、立ちくらみ
・目が疲れやすい
・顔色が青白い
・肌が乾燥する
・髪がパサつく
・爪が割れやすい
・月経量が少ない
・疲れると眠りがさらに浅くなる

といった症状です。

こうした症状が不眠と一緒にみられる場合には、血虚という視点から身体を見ることがあります。

血虚にみられやすい症状についてはこちらで詳しくまとめています。

血虚の症状チェック|めまい・不眠の本当の原因とは?


血虚と女性ホルモンの関係

女性の場合、血虚を考えるうえで月経の状態も重要です。

東洋医学では「血」と月経は非常に深い関係があると考えます。

例えば、

・月経量が少ない
・月経周期が安定しない
・月経後に強く疲れる
・めまいや立ちくらみが強くなる

などがみられる場合には、血虚の状態を確認します。

一方、現代医学的には月経周期はエストロゲンやプロゲステロンをはじめとした複数のホルモンによって調整されています。

そのため、

「血虚が直接ホルモンバランスを乱す」

と考えるのではなく、

栄養状態、エネルギー不足、ストレス、睡眠、月経による消耗などが重なり、血虚のような症状とホルモンに関連した症状が同時に現れることがあると捉えることが大切です。


妊活でも「血虚+自律神経」の視点は大切

妊活では、ホルモンの数値だけに意識が向きやすくなります。

しかし実際には、

・十分に食べられているか
・胃腸で消化できているか
・睡眠が取れているか
・慢性的に疲労していないか
・ストレスが強くないか
・月経の状態はどうか

といった身体全体の状態を見ることも重要です。

東洋医学では、月経や妊娠に関わる身体を養うものとして「血」を重視します。

妊活と血虚についてはこちらで詳しく解説しています。

血虚と妊活|着床・ホルモン・子宮環境に与える影響


不眠や不安に「リラックス」だけでは足りないことも

不眠や不安感があると、

・ゆっくり入浴する
・ストレッチをする
・深呼吸をする
・寝る前にスマートフォンを見ない

といった対策が勧められます。

もちろん、こうした方法は睡眠環境を整えるうえで大切です。

しかし、身体そのものがエネルギーや栄養不足の状態にある場合には、リラックス方法だけでは十分に変化しないこともあります。

そこで重要になるのが、

「なぜ身体が休めない状態になっているのか」

という視点です。


改善のポイントは「自律神経だけ」を整えようとしないこと

血虚と不眠、自律神経の問題が重なっている場合には、身体全体を見ていく必要があります。

当院では大きく、

① 身体を動かすエネルギーが足りているか

② 胃腸で食べ物を消化できているか

③ 腸から必要なものを吸収できているか

④ 身体を養う栄養が足りているか

⑤ 睡眠や自律神経の状態はどうか

という流れで考えます。

つまり、

「眠れないから自律神経」

「血虚だから鉄」

という一つの原因だけに絞らないことが重要です。

血虚と胃腸・栄養の関係についてはこちらをご覧ください。

なぜ血が不足するのか?胃腸と栄養の関係を東洋医学で解説


血虚改善にも順番がある

血虚があるからといって、いきなり栄養を大量に増やせばよいわけではありません。

身体のエネルギーが不足していたり、胃腸や腸内環境が整っていなかったりすれば、せっかく摂った栄養を十分に活かせないことがあります。

そのため当院では、

気(エネルギー)

胃腸(消化)

腸(吸収)

血(栄養)

という順番を一つの目安として身体を見ています。

詳しい考え方はこちらの記事をご覧ください。

血虚改善の正しい順番|いきなり栄養を増やしてはいけない理由


鍼灸では自律神経と身体の土台を一緒に見る

はり灸院あずでは、不眠や不安感があるからといって、自律神経だけを切り離して考えることはしていません。

鍼灸では身体の緊張や胃腸の状態、睡眠、疲労などを確認しながら、その方の状態に合わせて施術を行います。

また、必要に応じて、

・食事量
・栄養状態
・胃腸の状態
・腸内環境
・睡眠
・生活リズム

なども確認します。

自律神経を整えることと、身体を栄養面から整えることは別々ではありません。

「休める身体」を作るためには、身体を養える土台も必要

という考え方を大切にしています。


まとめ|不眠や不安を「自律神経だけ」の問題にしない

不眠や不安感があると、「自律神経が乱れている」と考えがちです。

しかし身体を詳しく見ていくと、

・エネルギー不足
・胃腸機能の低下
・栄養状態
・血虚
・慢性的なストレス
・睡眠不足
・月経や女性ホルモンに関連した変化

などが複雑に重なっていることがあります。

東洋医学では「血は心を養う」と考え、血虚と睡眠や精神状態との関係を重視します。

だからこそ、

自律神経だけを見るのでもなく、血虚だけを見るのでもない。

なぜ身体が休めない状態になっているのかを、身体全体から考えることが大切です。

血虚について症状・原因・胃腸・改善方法などをまとめて知りたい方はこちらをご覧ください。

血虚とは?症状・原因・改善方法を東洋医学からわかりやすく解説

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