~意志の弱さではなく、エネルギー不足かもしれません~
「甘いものをやめたいのにやめられない」
「疲れるとチョコレートが欲しくなる」
「食後なのに甘いものが食べたくなる」
このようなお悩みを持つ方は少なくありません。
健康や妊活のために食事を意識している方ほど、
「自分は意志が弱いのではないか」
と悩んでしまうことがあります。
しかし実際には、
甘いものが欲しくなる背景には、
体からのサインが隠れていることがあります。
当院では、
甘いものを欲する原因を単純な嗜好や意志の問題ではなく、
腸・肝臓・エネルギー代謝の問題として考えることがあります。
体は必要があるから欲しがる
私たちの体は、
本来とても合理的にできています。
水分が不足すれば喉が渇きます。
睡眠が不足すれば眠くなります。
同じように、
甘いものが欲しくなるのにも理由があります。
もちろん習慣的な要素もありますが、
慢性的に甘いものを欲する場合、
体がエネルギー不足に陥っている可能性があります。
糖質は悪者ではない
最近は糖質制限が広く知られるようになりました。
そのため、
糖質そのものを悪者のように考えてしまう方もいます。
しかし糖質は、
体にとって非常に重要なエネルギー源です。
特に、
- 脳
- 神経
- ホルモン分泌
- 肝臓
などは糖質を必要としています。
問題なのは糖質ではなく、
糖質をうまく利用できない状態
です。
肝臓はエネルギーの貯蔵庫
食事から摂った糖質は、
一部が肝臓に蓄えられます。
これをグリコーゲンと呼びます。
肝臓は、
必要なときにこのグリコーゲンを分解し、
血糖値を安定させています。
つまり、
肝臓は体のエネルギータンクのような存在です。
ところが、
- 極端な糖質制限
- 慢性的なストレス
- 睡眠不足
- 長期間の食事制限
などが続くと、
肝臓のエネルギー貯蔵が不足してきます。
すると体は、
素早く使えるエネルギーを求めるようになります。
その結果、
甘いものを強く欲することがあります。
甘いものが欲しくなる人ほど疲れている
臨床で感じることですが、
甘いものがやめられない方ほど、
実は慢性的な疲労を抱えていることが少なくありません。
例えば、
- 朝起きるのがつらい
- 夕方に強い疲労感が出る
- 集中力が続かない
- イライラしやすい
- のぼせやすい
といった状態です。
このような方は、
体が無理をして交感神経を働かせながら活動していることがあります。
そしてその燃料として、
甘いものを求めている可能性があります。
腸が弱るとさらに甘いものが欲しくなる
ここで重要になるのが腸です。
腸が健康な状態であれば、
食事から摂った栄養を効率よく吸収できます。
しかし、
- 胃腸が弱い
- 消化力が低い
- 腸内環境が乱れている
といった状態では、
食べているにもかかわらず十分な栄養を取り込めません。
すると体は、
「エネルギーが足りない」
と判断し、
さらに甘いものを求めるようになります。
東洋医学で考える脾虚
東洋医学では、
消化吸収を担う働きを「脾」と考えます。
脾が弱ると、
食べたものから十分なエネルギーを作れなくなります。
これを脾虚と呼びます。
脾虚の方によくみられるのが、
- 疲れやすい
- むくみやすい
- 食後に眠くなる
- 甘いものが欲しくなる
といった症状です。
当院では、
甘いものへの欲求を単なる食習慣ではなく、
脾虚のサインとして捉えることがあります。
妊活と甘いものの関係
妊活中の方にも、
甘いものがやめられないというご相談は少なくありません。
しかしこの場合も、
単純に我慢するだけでは解決しないことがあります。
背景には、
- 栄養不足
- 肝機能低下
- ホルモン分泌低下
- 自律神経の乱れ
が隠れていることがあります。
特に肝臓のエネルギー不足は、
ホルモン分泌や代謝にも影響を与える可能性があります。
そのため当院では、
甘いものを減らすことよりも、
まず体がエネルギーを作れる状態を目指します。
まとめ
甘いものがやめられないのは、
意志の弱さだけが原因ではありません。
その背景には、
- 肝臓のエネルギー不足
- 腸の消化吸収力低下
- 慢性的な疲労
- 自律神経の乱れ
が隠れていることがあります。
当院では、
甘いものへの欲求も体からのサインの一つとして考えています。
「なぜ欲しくなるのか」
その背景に目を向けることで、
本当の意味での体質改善につながると考えています。
甘いものを無理に我慢するのではなく、
体が自然と必要としなくなる状態を目指していくことが大切です。
