~エストロゲン代謝と東洋医学から考える体質改善~
妊活や生理不順、PMS、更年期症状のご相談を受けていると、
「女性ホルモンが足りないと言われました」
「エストロゲンが高いと言われました」
「子宮筋腫があります」
というお話をよく伺います。
このような場合、多くの方は卵巣の働きに注目します。
もちろん卵巣は大切です。
しかし当院では、
「ホルモンを作る力」と同じくらい「ホルモンを処理する力」も重要
だと考えています。
そして、その処理を担っているのが肝臓です。
今回は女性ホルモンと肝臓の関係についてお話しします。
女性ホルモンは作られて終わりではない
女性ホルモンは、
- エストロゲン
- プロゲステロン
を中心に分泌されています。
これらのホルモンは、
月経周期や妊娠に関わるだけでなく、
- 骨
- 血管
- 脳
- 自律神経
- 肌
など全身に影響しています。
しかしホルモンは、
分泌されたら終わりではありません。
役目を終えたホルモンは体外へ排出する必要があります。
その中心となる臓器が肝臓です。
肝臓は女性ホルモンの「リサイクルセンター」
肝臓は、
体内で使い終わったホルモンを処理し、
排出しやすい形へ変換しています。
この働きが順調であれば、
必要な量のホルモンが維持されます。
しかし、
肝臓の働きが低下すると、
ホルモンの処理が追いつかなくなることがあります。
すると、
体内でエストロゲンの影響が強くなりやすくなります。
近年ではこれを
「エストロゲン優位」
と呼ぶこともあります。
エストロゲン優位で起こりやすい症状
エストロゲンは女性にとって大切なホルモンですが、
過剰な状態も問題になります。
例えば、
- PMS
- 生理痛
- 生理前の頭痛
- 胸の張り
- むくみ
- イライラ
- 子宮筋腫
- 子宮内膜症
などです。
もちろん原因は一つではありません。
しかし、
肝臓の負担が背景にあるケースも少なくありません。
なぜ肝臓は疲れてしまうのか?
肝臓が疲れる原因は、
お酒だけではありません。
現代人の肝臓は、
さまざまな負担を受けています。
例えば、
- 睡眠不足
- ストレス
- 血糖値の乱高下
- 慢性的な炎症
- 栄養不足
- 腸内環境の乱れ
などです。
特に当院で重視しているのが、
腸と肝臓の関係
です。
前回の記事でもお伝えしたように、
腸から吸収されたものは最初に肝臓へ運ばれます。
腸内環境が悪化すると、
肝臓は常に余分な仕事を抱えることになります。
その結果、
本来行うべきホルモン代謝まで手が回らなくなることがあります。
東洋医学で考える「肝」
東洋医学における肝は、
解剖学的な肝臓だけではありません。
肝には、
- 気血を巡らせる
- 感情を安定させる
- 月経を調整する
といった働きがあります。
そのため肝の働きが低下すると、
- イライラ
- 情緒不安定
- PMS
- 生理不順
- のぼせ
などが現れやすくなります。
また当院では、
肝の働きの低下の背景に、
腸内環境や栄養状態の問題が隠れていることも多いと考えています。
のぼせやほてりも肝臓と関係する?
当院へ来院される方の中には、
「顔だけ熱い」
「頭だけのぼせる」
「足は冷えるのに上半身が暑い」
という方が少なくありません。
東洋医学では、
こうした状態を陰虚や肝の失調として考えます。
当院の考えでは、
腸の状態が悪化し、
肝臓への負担が増え、
エネルギー代謝やホルモンバランスが乱れることで、
結果として熱が上半身に偏ることがあると考えています。
妊活において肝臓が大切な理由
妊活というと、
卵巣や子宮に意識が向きがちです。
しかし、
ホルモンを適切に作り、
適切に処理するためには、
肝臓の働きが欠かせません。
さらに、
肝臓は血糖コントロールや栄養代謝にも深く関わっています。
つまり、
卵子を育てる環境づくりにも関係しているのです。
当院では、
妊活を単に卵巣の問題としてではなく、
腸・肝臓・ホルモン・自律神経が連携する全身の問題として捉えています。
まとめ
女性ホルモンは、
分泌されるだけではなく、
適切に代謝されることが重要です。
その中心となるのが肝臓です。
肝臓に負担がかかると、
- PMS
- むくみ
- のぼせ
- 生理不順
- 子宮筋腫
などの症状につながることがあります。
そして肝臓の負担の背景には、
腸内環境や栄養状態の問題が隠れていることも少なくありません。
当院では、
女性ホルモンだけを見るのではなく、
その土台となる腸や肝臓の状態を整えることを大切にしています。
体質改善とは、
症状だけを見るのではなく、
体全体のつながりを整えていくことだと考えています。
