~肝門脈から考える体質改善と妊活~
妊活や体質改善のご相談を受けていると、
「肝臓が大切なんですね」
と言われることがあります。
確かに肝臓は非常に重要な臓器です。
しかし実際には、
肝臓だけを見ても本当の原因は見えてこないことがあります。
なぜなら、
肝臓は常に腸の影響を受けているからです。
当院では、
腸と肝臓は別々の臓器ではなく、
ひとつのチームとして考えることが大切
だと考えています。
肝臓は腸から届くものを最初に受け取る
私たちが食事をすると、
食べ物は胃や小腸で消化・吸収されます。
吸収された栄養は血液に乗って全身へ送られると思われがちですが、
実は最初に向かう場所があります。
それが肝臓です。
腸から吸収された栄養は、
「肝門脈(かんもんみゃく)」という血管を通り、
まず肝臓へ運ばれます。
つまり肝臓は、
体に入ってきたものをチェックする
「検問所」
のような役割を担っています。
肝臓の仕事は想像以上に多い
肝臓には500種類以上の働きがあるともいわれています。
代表的なものとして、
- 栄養の加工
- 血糖コントロール
- ホルモン代謝
- 解毒
- 胆汁の生成
- ビタミンやミネラルの貯蔵
などがあります。
妊活や女性ホルモンに関係する部分だけを見ても、
非常に多くの役割を担っています。
例えば、
卵巣で作られた女性ホルモンは、
役目を終えた後に肝臓で処理されます。
つまり、
ホルモンは作る力だけでなく、
処理する力も必要なのです。
腸が荒れると肝臓は忙しくなる
ここで重要なのが腸の状態です。
健康な腸は、
必要な栄養を吸収し、
不要なものは体内へ入れないようにしています。
ところが、
- ストレス
- 睡眠不足
- 食生活の乱れ
- 慢性的な疲労
- 腸内環境の悪化
などが続くと、
腸粘膜に炎症が起こりやすくなります。
すると本来体内へ入れたくないものまで吸収され、
肝臓へ運ばれることがあります。
肝臓はそれらを処理しなければならないため、
解毒作業に追われる状態になります。
東洋医学で考える「肝」と「脾」の関係
東洋医学では、
消化吸収を担うのが「脾」、
全身の巡りや解毒に関わるのが「肝」と考えます。
脾が弱ると、
十分な栄養を作れなくなります。
そして肝はその影響を受けます。
つまり、
脾虚
↓
肝機能低下
↓
気血の巡りが悪くなる
↓
ホルモンバランスの乱れ
という流れが生まれます。
当院では、
ホルモンの問題を考える際に、
まず脾(腸)を整えることが重要だと考えています。
肝臓が疲れると起こりやすい症状
肝臓に負担がかかり続けると、
さまざまな症状が現れることがあります。
例えば、
- 生理前の不調
- むくみ
- 頭痛
- 肩こり
- のぼせ
- イライラ
- 疲れが抜けない
- 朝起きられない
- 肌荒れ
などです。
一見すると肝臓とは関係なさそうに見える症状もあります。
しかし実際には、
腸から始まった問題が肝臓に負担をかけ、
全身へ影響しているケースも少なくありません。
当院が腸と肝臓を重視する理由
妊活でも更年期でも自律神経の乱れでも、
私たちが見ているのは症状だけではありません。
その背景にある、
- 消化吸収
- 肝臓機能
- エネルギー代謝
- 自律神経
のつながりを大切にしています。
卵巣だけを元気にしようとしても、
材料を吸収する腸が弱っていては十分に働けません。
また、
肝臓が疲れていればホルモン代謝もうまくいきません。
だからこそ、
当院では腸と肝臓の両方を整えることが、
体質改善の第一歩だと考えています。
まとめ
腸と肝臓は別々に働いているわけではありません。
腸で吸収されたものは必ず肝臓へ届きます。
そのため、
腸の状態は肝臓の状態に直結しています。
そして肝臓の状態は、
- 女性ホルモン
- 自律神経
- エネルギー代謝
- 妊活
にも大きく関わっています。
体質改善を考えるとき、
肝臓だけを見るのではなく、
その上流にある腸にも目を向けることが大切です。
当院では、
「腸・肝臓・ホルモン・自律神経」
をひとつの流れとして捉えながら施術を行っています。
次回予告
「肝臓が疲れると女性ホルモンはどうなる? ~エストロゲン代謝と東洋医学の視点~」
なぜ肝機能の低下が、
むくみ・PMS・子宮筋腫・のぼせにつながるのか。
女性ホルモンと肝臓の関係について詳しくお話しします。
