栄養不足が肌に与える影響 〜食べているのに肌がきれいにならないのはなぜ?〜

「食事には気をつけているのに肌が荒れる。」
「サプリメントを飲んでいるのに、なかなか肌質が変わらない。」
「最近、肌だけでなく髪や爪も弱くなった気がする。」

このようなお悩みはありませんか?

肌は毎日少しずつ新しい細胞へと生まれ変わっています。

そのためには、タンパク質や鉄、亜鉛、ビタミンなど、さまざまな栄養素が必要です。

しかし、ここで大切なのは、

「栄養を摂っていること」と「栄養を使えていること」は違う

ということです。

今回は、栄養不足と肌荒れの関係について、腸や胃腸の働きも含めて考えてみましょう。


目次

肌は食べたもので作られている

肌を作るためには、たくさんの栄養素が必要です。

代表的なものとして、

  • タンパク質
  • 亜鉛
  • ビタミンB群
  • ビタミンA
  • ビタミンC
  • 必須脂肪酸

などがあります。

一つの栄養素だけで肌が作られているわけではありません。

それぞれが協力しながら、肌のターンオーバーやバリア機能、コラーゲンの生成などを支えています。

そして、これらの栄養素を体に取り込む入口となるのが「腸」です。

肌と腸の関係については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

腸活で肌は変わるのか? 〜美肌への近道は「腸を整えること」かもしれません〜


タンパク質は肌の材料

皮膚や髪、爪の材料になるのがタンパク質です。

そのため、タンパク質が不足すると、

  • 肌のハリがなくなる
  • 傷の治りが遅くなる
  • 髪が細くなる
  • 爪が弱くなる

などの変化が現れることがあります。

ただし、「タンパク質不足だからたくさん食べればいい」とは限りません。

胃腸の働きが弱っている方では、急に肉やプロテインなどを増やすことで、お腹の張りや胃もたれが強くなることもあります。

大切なのは、自分の消化能力に合った形で摂ることです。


鉄不足と肌の関係

鉄は赤血球を作り、酸素を全身へ運ぶために必要な栄養素です。

不足すると、

  • 顔色が悪い
  • 疲れやすい
  • 爪が弱い
  • 抜け毛が増える

などの変化がみられることがあります。

東洋医学でいう「血虚」と共通する部分もありますが、血虚と鉄欠乏や貧血は同じものではありません。

鉄だけに注目するのではなく、「なぜ不足しているのか」「胃腸から吸収できているのか」というところまで考えることが大切です。


亜鉛は肌の修復に欠かせない

亜鉛は、細胞分裂やタンパク質合成などに関わる重要なミネラルです。

皮膚は新陳代謝が活発な組織なので、亜鉛不足の影響を受けることがあります。

不足すると、

  • 傷の治りが遅い
  • 肌荒れが長引く
  • 味覚が変化する
  • 爪が弱くなる

などの変化が現れることがあります。

「ニキビができること」だけでなく、できたニキビがなかなか治らない場合にも、栄養状態を見ることが大切です。


ビタミンB群は「肌を作るエネルギー」を支える

肌を作るには材料だけでなく、エネルギーも必要です。

ビタミンB群は、

  • 糖質
  • 脂質
  • タンパク質

などをエネルギーとして利用する際に必要になります。

そのため不足すると、肌だけでなく、

  • 疲れやすい
  • 口内炎ができやすい
  • 集中力が続かない

などの変化が現れることがあります。

肌荒れと慢性的な疲労が同時にある方では、「肌だけの問題」と考えないことが大切です。


ビタミンAは皮膚や粘膜を守る

ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康維持に欠かせない栄養素です。

腸の粘膜にも関係しているため、肌だけでなく胃腸の健康を考えるうえでも重要です。

また、脂溶性ビタミンであるビタミンAを利用するには、脂質の消化や胆汁などの働きも関係します。

そのため、「どのくらい摂っているか」だけではなく、消化・吸収できる状態にあるかを見ることも重要です。


ビタミンCはコラーゲン作りを支える

ビタミンCは、コラーゲンの合成に必要です。

また、抗酸化作用を持つ栄養素でもあります。

しかし、コラーゲンを作るにはビタミンCだけではなく、材料となるアミノ酸なども必要です。

「美容にはビタミンC」と一つの栄養素だけに注目するのではなく、食事全体を見ることが大切です。


「食べているのに栄養不足」が起こる理由

ここが、当院で特に大切にしているポイントです。

栄養不足というと、

「食べていないから不足する」

と思われがちです。

しかし実際には、

食べる

消化する

吸収する

体内へ運ぶ

細胞で利用する

という段階があります。

どこかで問題が起これば、十分な量を食べていても体が利用できないことがあります。

例えば、

  • 胃腸の働きが弱い
  • お腹がいつも張っている
  • 下痢や便秘を繰り返している
  • 腸内環境が乱れている

という方では、まず消化・吸収の状態を考える必要があります。

腸と栄養吸収、女性ホルモンまで含めた関係については、

なぜ腸が乱れるとホルモンも乱れるのか?

でも詳しく解説しています。


腸を整えずに栄養だけ増やしてもよい?

「鉄が足りないから鉄を摂る」

「タンパク質が足りないからプロテインを飲む」

「ビタミンB群が足りないからサプリメントを飲む」

もちろん、必要な場合もあります。

しかし、消化・吸収がうまくいっていない状態で栄養素だけを増やしても、十分に利用できない可能性があります。

当院では、栄養素を追加する前に、

「その栄養を受け取れる体になっているか?」

ということを大切にしています。

腸活というと、ヨーグルトや発酵食品、食物繊維などを積極的に摂るイメージがありますが、すべての人に同じ腸活が合うわけではありません。

「健康に良いものを食べているのにお腹が張る」「食物繊維を増やしたらガスが増えた」という方では、FODMAPなども一つの考え方になります。

FODMAPとは?腸活で知っておきたい「お腹が張る食べ物」の正体

腸活で大切なのは、「腸に良いといわれているものを食べること」ではなく、今の自分の胃腸がきちんと処理できるものを選ぶことです。


便通だけでは腸の状態は判断できない

腸内環境を考えるときに、便通は大切なサインです。

しかし、

「毎日便が出ている=腸内環境が良い」

とは限りません。

例えば、

  • ガスが多い
  • お腹が張る
  • 食後に眠くなる
  • 便が柔らかすぎる
  • 食べるものによって便通が大きく変わる

といった状態も、消化や腸内環境を見直すヒントになります。

一方で便秘が続く場合には、不要になったものを体外へ排出するという意味でも腸を整えることが重要になります。

便秘と腸、栄養吸収については、

子宮筋腫と便秘の関係 ~なぜ腸を整えることが改善への第一歩なのか~

でも詳しくお話ししています。

子宮筋腫についての記事ですが、なぜ当院が体質改善で腸の状態を重視しているのかを理解していただきやすい内容です。


腸の次に肝臓も重要

腸から吸収された栄養素の多くは、門脈を通って肝臓へ運ばれます。

肝臓では、それらを必要に応じて変換したり、貯蔵したり、全身で利用できるようにしたりしています。

つまり、

食べる

腸で消化・吸収する

肝臓で代謝する

全身で利用する

という流れがあります。

腸だけでも、肝臓だけでもありません。

両方が連携して働くことが大切です。


東洋医学では「脾」が栄養の土台

東洋医学では、食べ物から「気」や「血」を作り出す働きを「脾」が担うと考えます。

脾が弱ると、

  • 疲れやすい
  • 食後に眠くなる
  • お腹が張る
  • 軟便になりやすい
  • むくみやすい
  • 肌に元気がない

などの変化が現れることがあります。

さらに、十分な血を作れなくなると「血虚」へつながり、肌の乾燥やくすみ、髪や爪の変化として現れることがあります。

つまり東洋医学でも、

胃腸 → 栄養 → 血 → 肌

というつながりを大切にしています。


肌を見ると栄養状態がわかることもある

当院では、肌は美容だけの指標ではないと考えています。

例えば、

  • 肌のツヤ
  • 乾燥
  • 顔色
  • ニキビの治り方

などは、体の状態を考えるヒントになります。

血液検査の数値だけを見るのではなく、実際に体がどう変化しているかを見ることも大切です。

肌質が変わってきたことが、体の内側が整い始めた一つのサインになる場合もあります。


当院で大切にしていること

当院では、

「この症状にはこのサプリメント」

という考え方はしていません。

まず、

  • 胃腸はきちんと働いているか
  • 腸内環境はどうか
  • 必要な栄養を吸収できているか
  • エネルギーを作れているか
  • 肝臓で栄養を代謝できているか

という体の土台を確認します。

そのうえで、必要に応じて栄養を補っていきます。

これは肌質改善だけでなく、妊活や自律神経の不調でも同じです。

「栄養を入れること」よりも、まず「栄養を使える体を作ること」。

これが当院の体質改善で大切にしている考え方です。


まとめ

肌を健康に保つためには、

  • タンパク質
  • 亜鉛
  • ビタミンB群
  • ビタミンA
  • ビタミンC
  • 必須脂肪酸

など、さまざまな栄養素が必要です。

しかし、大切なのは単純に栄養素を増やすことではありません。

食べる → 消化する → 吸収する → 代謝する → 利用する

この一連の流れが整って初めて、食べたものが体や肌の材料として使われます。

肌荒れが続いている方は、

「何が足りないのだろう?」

だけではなく、

「食べた栄養をきちんと使えているだろうか?」

という視点から、ご自身の胃腸や体の状態を見直してみてはいかがでしょうか。


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次回予告

「美肌のための食事とは? 〜肌を作るのは高価な美容食ではなく、毎日の食事〜」

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