東洋医学からみた肌質改善 〜肌は「血」と「潤い」と「巡り」で決まる〜

「スキンケアを変えても肌荒れが治らない。」
「同じ化粧品でも人によって効果が違う。」
「ニキビができやすい人もいれば、乾燥に悩む人もいる。」

このような違いは、肌そのものだけでなく、体質の違いが関係しているのかもしれません。

東洋医学では、肌は体の内側の状態を映し出す鏡と考えます。

そのため、肌だけを治療するのではなく、「なぜその肌質になっているのか」という原因を探し、体全体のバランスを整えることを大切にしています。

今回は、東洋医学から見た肌質改善の考え方をご紹介します。


目次

東洋医学では「肌は内臓の鏡」

東洋医学では、肌の状態は内臓の働きや「気・血・津液(しんえき)」の状態を反映すると考えます。

例えば、

  • 胃腸の働きが弱ければ栄養が不足する
  • 血液が不足すれば肌に栄養が届かない
  • 水分代謝が乱れれば乾燥やむくみが起こる
  • ストレスで気の巡りが悪くなれば血流も滞る

つまり、肌は単独で存在しているのではなく、体全体のバランスの中で健康を保っています。


美しい肌に必要な3つの要素

東洋医学では、健康な肌を保つためには主に次の3つが重要と考えます。

① 血(けつ)

「血」は、肌へ栄養を届ける役割があります。

十分な血があれば、

  • 肌にツヤがある
  • 血色が良い
  • ターンオーバーが整う
  • 傷の治りが早い

といった状態になります。

一方で血が不足すると、

  • 顔色が悪い
  • シミやくすみが増える
  • 髪がパサつく
  • 爪が割れやすい

などの変化が現れます。

東洋医学では、このような状態を「血虚(けっきょ)」と呼びます。


② 津液(しんえき)

津液とは、体を潤す水分のことです。

肌に十分な潤いがあれば、

  • 乾燥しにくい
  • キメが整う
  • ハリがある
  • バリア機能が保たれる

状態になります。

反対に津液が不足すると、

  • 肌が乾燥する
  • 小じわが増える
  • のどが渇きやすい
  • ほてりを感じやすい

などの症状が現れます。

これを「陰虚(いんきょ)」という体質として考えることがあります。


③ 気(き)

気は、血や津液を全身へ運ぶエネルギーです。

気の巡りが良いと、

  • 血流が良くなる
  • 肌へ栄養が届きやすい
  • 回復力が高まる

と考えられています。

ストレスや疲労が続くと気の巡りが悪くなり、肌荒れを繰り返しやすくなることがあります。


肌質は体質によって変わる

東洋医学では、「肌荒れ」という一つの症状でも、その背景となる体質はさまざまです。

血虚タイプ

  • 顔色が白っぽい
  • 肌がくすみやすい
  • 乾燥しやすい
  • 髪が細い
  • 爪が割れやすい
  • 疲れやすい

栄養が肌まで十分に届いていない状態です。


陰虚タイプ

  • 肌が乾燥する
  • 口やのどが渇く
  • 手足は温かいのにほてる
  • 寝汗をかく
  • 夜になると症状が強くなる

潤いが不足し、熱がこもりやすい体質です。


湿熱タイプ

  • 赤いニキビができやすい
  • 皮脂が多い
  • ベタつきやすい
  • 吹き出物を繰り返す
  • 甘いものや脂っこいものが好き

余分な湿気と熱が体内にたまり、炎症を起こしやすい状態です。


気滞タイプ

  • ストレスで悪化する
  • 生理前に肌荒れしやすい
  • イライラしやすい
  • お腹が張りやすい

気の巡りが滞ることで、血流やホルモンバランスにも影響が出やすくなります。


西洋医学と東洋医学は考え方が違う

西洋医学では、

「炎症を抑える」
「皮脂を減らす」
「細菌を抑える」

といったアプローチが中心になります。

一方、東洋医学では、

「なぜ炎症が起きているのか」
「なぜ皮脂が増えているのか」
「なぜ肌の回復力が低下しているのか」

という背景を大切にします。

どちらが正しいということではなく、それぞれ得意な分野が異なります。

症状を早く抑えたいときには西洋医学が力を発揮することもありますし、繰り返す肌荒れの背景を見直したいときには東洋医学の視点が役立つことがあります。


当院で大切にしていること

当院では、肌だけを診るのではなく、

  • 胃腸の状態
  • 食事内容
  • 睡眠
  • ストレス
  • 生理周期
  • 冷えやむくみ
  • 便通
  • 舌や脈の状態

などを総合的に確認し、その方の体質を考えていきます。

また、東洋医学だけではなく栄養学の視点も取り入れています。

例えば、血虚と考えられる方でも、実際には鉄やタンパク質、ビタミンB群などの不足が背景にあることもあります。

反対に、湿熱タイプと思われる方では、腸内環境や糖質・脂質の摂り方を見直すことで肌の状態が改善することもあります。

体質を理解することで、一人ひとりに合った改善方法を見つけやすくなるのです。


まとめ

肌質は、生まれつきだけで決まるものではありません。

東洋医学では、

  • 「血」が十分にあるか
  • 「潤い」が保たれているか
  • 「気」がスムーズに巡っているか

を大切に考えます。

肌荒れを繰り返す方は、皮膚だけでなく、体全体のバランスが崩れているサインかもしれません。

だからこそ、腸や肝臓、自律神経、栄養状態なども含めて体の内側を整えることが、健やかな肌への近道になります。


次回予告

「血虚が肌に与える影響 〜肌のくすみや乾燥は“血”が足りないサインかもしれません〜」

次回は、東洋医学でいう「血虚」に焦点を当て、肌だけでなく髪や爪、疲れやすさとの関係、さらに栄養学とのつながりについて詳しく解説します。

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