脈・舌・お腹・筋肉をどう組み合わせて身体を見るのか?「東洋医学」か「現代医学」かではなく、その人を見る

鍼灸院では、

脈を見る。

舌を見る。

お腹を触る。

身体の硬さを見る。

といったことがあります。

初めて鍼灸を受ける方からすると、

「肩が痛いのに、なぜ舌を見るのだろう?」

「脈を触って何が分かるのだろう?」

と不思議に感じるかもしれません。

はり灸院あずでは、

こうした東洋医学的な見方だけで身体を判断しているわけではありません。

脈。

舌。

お腹。

筋肉。

姿勢。

身体の動き。

問診。

睡眠や食事。

こうした情報を組み合わせながら、

今の身体がどのような状態になっているのか

を考えています。

目次

一つの所見だけで身体を決めつけません

例えば、

「舌に歯の跡があるから、この体質です」

「脈がこうだから、この病気です」

というように、

一つの情報だけで身体の状態を決めることはしません。

なぜなら、

身体の状態は一つのサインだけでは判断できないからです。

舌の状態。

脈。

お腹の緊張。

筋肉の硬さ。

睡眠。

便通。

食欲。

疲労。

これらが重なって、少しずつ身体の状態が見えてきます。

当院では、

一つの所見を「答え」にするのではなく、複数の情報をつなぐ材料として使う

ことを大切にしています。

舌は身体の状態を見る一つの手がかりです

東洋医学では、舌の状態を見る「舌診」という考え方があります。

例えば、

舌の色。

舌苔の状態。

乾燥。

腫れぼったさ。

歯の跡。

などを確認します。

こうした変化は、

東洋医学では体質や身体の偏りを考える材料として使われてきました。

ただし、

舌だけを見て身体全体を判断することはできません。

食事。

水分。

口腔内の状態。

薬。

その日の体調。

などでも変化することがあります。

そのため当院では、

舌を一つの参考情報として使いながら、他の身体所見と組み合わせて考えます。

脈は「そのときの身体の反応」を見る材料になります

東洋医学では、手首の脈を触って身体の状態を考える脈診があります。

脈の速さ。

強さ。

触れ方。

左右差。

などを見ます。

脈診にはさまざまな流派や考え方があります。

当院では、

脈だけで病名や原因を決めるというより、

その日の身体の緊張や全体的な状態を見る一つの材料

として考えています。

例えば、

問診では疲れていると言っているけれど、身体はかなり緊張している。

逆に、緊張しているように見えても、身体の反応は弱くなっている。

こうした違いを考える際の一つの情報になります。

お腹はとても多くの情報を持っています

当院では、お腹の状態も大切にしています。

お腹が硬い。

冷たい。

張っている。

左右差がある。

触ると強く緊張する。

こうした状態を見ることがあります。

お腹は、

胃腸。

呼吸。

姿勢。

自律神経。

ストレス。

など、さまざまな影響を受けます。

例えば精神的な緊張が続いている方では、無意識にお腹に力が入っていることがあります。

胃腸の調子が悪い方では、張りや不快感が見られることもあります。

そのため、

お腹を見ることは、胃腸だけを見ることではありません。

身体全体の緊張や回復状態を考える材料にもなります。

筋肉の硬さも「硬いか柔らかいか」だけでは見ません

筋肉を触ると、

硬い場所。

柔らかい場所。

左右差。

押したときの感覚。

などがあります。

ただ、

「硬い筋肉=悪い筋肉」

とは限りません。

身体を支えるために必要な緊張もあります。

逆に、

一見柔らかくても、うまく力が入らないこともあります。

そのため当院では、

筋肉の硬さだけでなく、その場所が身体の中でどのような役割をしているのか

を考えます。

触った状態と、動いた状態は一致しないことがあります

寝た状態では身体が柔らかい。

でも立つと肩に力が入る。

仰向けでは股関節が動く。

でも歩くと動きが小さい。

このようなこともあります。

そのため、

触診だけで身体を判断するのではなく、

  • 首を動かす
  • 肩を動かす
  • 身体をひねる
  • 立つ
  • 歩く

など、実際の動きも確認することがあります。

止まっている身体と、動いている身体の両方を見る

ということです。

東洋医学と身体の動きを別々にしない

例えば東洋医学的には「水滞」と考えられるような状態があったとします。

むくみ。

身体の重さ。

胃腸の不調。

舌の状態。

などがその判断材料になることがあります。

しかし当院では、

「水滞だからこのツボ」

だけでは終わりません。

実際に、

身体が重くて動きにくくなっていないか。

足首や下肢のむくみはどうか。

身体の冷えはあるか。

活動量はどうか。

食事はどうか。

なども確認します。

つまり、

東洋医学の見立てを、実際の身体の状態や生活とつなげて考える

ということです。

「血虚」や「陰虚」も名前を付けて終わりではありません

例えば、

顔色。

舌。

脈。

睡眠。

疲労。

月経。

などから、東洋医学的に血虚を考えることがあります。

ただ、

なぜそうなっているのか。

食事量は足りているか。

胃腸の状態はどうか。

月経量はどうか。

睡眠は取れているか。

長期間の疲労はないか。

なども見ます。

陰虚についても同じです。

ほてり。

乾燥。

寝汗。

眠りの浅さ。

緊張。

などがあっても、

その背景に長いストレスや睡眠不足、疲労がないかまで考えます。

体質名はゴールではなく、身体を理解するための入り口

という位置づけです。

問診と触診を一致させていく

患者さんから、

「夜になるとすごく疲れます」

と聞いたとします。

そのときに、

身体の緊張。

脈。

お腹。

筋肉。

姿勢。

などを確認します。

すると、

疲れているのに身体は強く緊張している。

ということがあります。

こうした場合、

「疲労」と「緊張」が同時に存在している可能性を考えます。

逆に、

患者さん自身はそれほど疲れている感覚がなくても、身体にかなり負担が出ていることもあります。

そのため、

本人が感じていることと、身体に出ている反応の両方を見る

ことを大切にしています。

施術後の変化も評価の一部です

施術前に、

脈。

お腹。

筋肉。

動き。

などを確認しておき、

施術後にどう変化したかを見ることがあります。

例えば、

お腹の緊張が減った。

呼吸が深くなった。

首が動きやすくなった。

肩の力が抜けた。

立ったときの安定感が変わった。

こうした反応を見ることで、

その日の施術が身体にどう働いたのかを考えます。

つまり、

診察してから施術するだけでなく、施術そのものも身体を知るための情報

になります。

「東洋医学」か「現代医学」かではなく、その人を見る

当院では、

舌だけを見る。

脈だけを見る。

筋肉だけを見る。

ということはしません。

東洋医学の情報。

現代的な身体の理解。

問診。

触診。

動き。

生活。

これらを組み合わせながら、

一人の身体として考える

ことを大切にしています。

身体は、

東洋医学の部分。

筋肉の部分。

自律神経の部分。

栄養の部分。

と分かれているわけではありません。

すべて同じ身体の中で起きています。

だからこそ、

一つの理論だけで決めるのではなく、

さまざまな角度から確認します。

身体を「読む」ための情報を増やす

脈を見ること。

舌を見ること。

お腹を触ること。

筋肉を触ること。

身体を動かしてもらうこと。

問診をすること。

どれか一つが特別なのではありません。

すべて、

身体を理解するための情報

です。

そして、それらを組み合わせながら、

今の身体に何が必要なのかを考えていく。

これが、はり灸院あずが身体を見るときに大切にしている考え方です。

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