「赤く腫れたニキビを繰り返す。」
「皮脂が多く、夕方になると顔がベタつく。」
「皮膚科の治療では一時的に良くなるけれど、また同じ場所にニキビができる。」
このようなお悩みはありませんか?
東洋医学では、このような状態を「湿熱(しつねつ)」という体質で考えることがあります。
ただし、ここで大切なのは湿熱は原因ではなく、結果として現れている体の状態だということです。
当院では、「湿熱を取る治療」だけではなく、「なぜ湿熱ができたのか」という背景を大切にしています。
湿熱とは?
東洋医学でいう「湿」は、体の中に余分な水分や老廃物が停滞している状態です。
一方、「熱」は炎症や赤み、ほてりなどを起こしやすい状態を表します。
この二つが重なることで、
- 赤く腫れたニキビ
- 皮脂が多い
- ベタつき
- 吹き出物を繰り返す
- 湿疹が悪化しやすい
などの症状が現れると考えられています。
しかし、「湿熱だから熱を冷ませばよい」という単純な話ではありません。
なぜ湿熱はできるのでしょうか?
湿熱は突然できるものではありません。
体の中で少しずつバランスが崩れた結果として現れます。
例えば、
- 胃腸の働きが低下する
- 消化・吸収がうまくいかない
- 水分代謝が悪くなる
- 腸内環境が乱れる
- ストレスが続く
- 睡眠不足になる
こうした状態が続くことで、「湿」がたまりやすくなります。
そして、その湿が長く停滞すると「熱」を帯び、湿熱へと変化すると考えられています。
つまり、ニキビは湿熱そのものではなく、体からのサインなのです。
胃腸は湿熱を作る出発点
東洋医学では、「脾(ひ)」、つまり胃腸の働きが水分代謝を担うと考えます。
胃腸が弱ると、
- 水分をうまく利用できない
- 老廃物がたまりやすい
- 腸内環境が乱れやすい
といった状態になり、湿が生まれやすくなります。
当院でも、湿熱タイプの方には
- お腹が張る
- ガスが多い
- 食後に眠くなる
- 軟便や便秘を繰り返す
といった胃腸のサインがみられることが少なくありません。
腸と肝臓はつながっています
近年では「腸肝軸」という考え方が知られるようになりました。
腸で吸収された栄養や代謝産物は、最初に肝臓へ運ばれます。
そのため、
- 腸内環境が乱れる
- 腸の炎症が続く
- 消化不良がある
といった状態では、肝臓にも負担がかかりやすくなります。
肝臓は女性ホルモンの代謝や栄養の代謝にも関わるため、その働きが低下すると、肌にも影響が現れやすくなります。
湿熱は、胃腸だけではなく、腸と肝臓の働きが密接に関係している体質ともいえるでしょう。
ストレスも湿熱を悪化させる
「忙しくなるとニキビが増える」
「睡眠不足が続くと肌が荒れる」
このような経験はありませんか?
ストレスが続くと、自律神経のバランスが乱れ、交感神経が優位になります。
すると、
- 胃腸の働きが低下する
- 血流が悪くなる
- 睡眠の質が低下する
といった変化が起こり、結果として湿熱が悪化しやすくなります。
つまり、ストレスそのものがニキビを作るというよりも、ストレスによって湿熱を作りやすい体の状態になると考えることができます。
栄養学から見る湿熱
湿熱タイプの方に対して、「甘いものや脂っこいものを控えましょう」というアドバイスはよくあります。
もちろん、それも大切です。
しかし、それだけでは根本的な改善につながらないことも少なくありません。
例えば、
- タンパク質不足で胃酸や消化酵素が十分に作れない
- ビタミンB群不足でエネルギー代謝が低下している
- 亜鉛不足で皮膚の修復が遅れている
- 腸内細菌のバランスが乱れている
こうした状態では、食事を見直しても十分な効果が得られない場合があります。
また、カンジダなど腸内環境の乱れが背景にあるケースでは、まず腸を整えることが優先されることもあります。
湿熱は、「食べ過ぎ」だけで説明できるものではないのです。
妊活と湿熱の関係
妊活では、「湿熱だから熱を取ればよい」という考え方だけでは十分ではありません。
湿熱がある方では、
- 胃腸の働きが低下している
- 栄養の吸収効率が下がっている
- 慢性的な炎症が起きている
- 女性ホルモンの代謝が乱れている
といった背景が隠れていることがあります。
そのため当院では、湿熱という体質だけを見るのではなく、その方の生活習慣や胃腸、自律神経、栄養状態まで含めて確認し、妊娠しやすい体づくりを目指しています。
当院で大切にしていること
当院では、「湿熱を取ること」を目的にはしていません。
大切なのは、湿熱を作らない体を目指すことです。
そのために、
- 胃腸の働きを整える
- 自律神経のバランスを整える
- 腸内環境を見直す
- 食事や栄養状態を確認する
- 睡眠やストレスにも目を向ける
など、一人ひとりの体質に合わせた施術と生活習慣の見直しをご提案しています。
ニキビを「肌だけの問題」として考えるのではなく、体全体からのサインとして受け止めることが、根本的な改善につながると考えています。「同じニキビでも、その背景にある原因は一人ひとり異なります。当院では『湿熱だからこの治療』ではなく、『なぜその方に湿熱という状態が起きているのか』を大切にしています。東洋医学と栄養学の両方の視点から原因を探り、その方に合った体質改善をご提案しています。」
まとめ
湿熱は、赤いニキビや皮脂の多さなどとして現れることがあります。
しかし、その背景には、
- 胃腸の働きの低下
- 腸内環境の乱れ
- 肝臓への負担
- 自律神経の乱れ
- 栄養状態の問題
などが複雑に関係しています。
だからこそ、熱だけを取るのではなく、「なぜ湿熱が生まれたのか」を考えることが大切です。
繰り返すニキビは、体が送ってくれているメッセージかもしれません。
そのサインに耳を傾け、体の内側から整えていくことが、美しい肌への近道になるでしょう。
次回予告
「気滞タイプとストレス肌 〜ストレスで肌が荒れるのは、自律神経だけが原因ではありません〜」
