食後の眠気・甘いものが欲しい・空腹でイライラする|糖代謝から身体のサインを考える

患者さんから、

「ご飯を食べると眠くなります」
「夕方になると甘いものが欲しくなります」
「お腹が空くとイライラします」
「食事を抜くと身体が動かなくなります」

という相談を受けることがあります。

こうした症状があると、

「血糖値がおかしいのでしょうか?」

と心配になるかもしれません。

確かに糖代謝が関係している場合があります。

しかし、

食後に眠い=血糖値が悪い

と単純に判断することはできません。

今回は、こうした日常の症状から身体のエネルギー代謝を考えてみます。

目次

食後に眠くなるのはなぜ?

食後の眠気にはさまざまな原因があります。

食事量
食事内容
睡眠不足
自律神経
血糖変動
食事時間
疲労

などです。

ですから、

「食後に眠くなるから糖質をやめる」

とすぐに判断する必要はありません。

むしろ、

普段どのような食生活をしているのか

を確認することが大切です。

昼食後だけ眠くなる人

例えば、

朝食を食べない

午前中はコーヒーだけ

昼に丼や麺を大量に食べる

食後に猛烈に眠くなる

という方がいます。

この場合、

「昼の糖質が悪い」

だけではなく、

朝から昼までの食事の流れ

を見る必要があります。

空腹時間が長くなり、その反動で昼食量が増えている可能性もあります。

セカンドミール効果

前の食事が次の食事の血糖反応に影響することを、

セカンドミール効果

といいます。

例えば朝食の内容によって、昼食後の血糖反応が変わることがあります。

つまり、

昼食後の血糖値は、

昼食だけで作られているわけではない

ということです。

身体は一食ごとにリセットされているわけではありません。

昨日から今日。

朝から昼。

昼から夜。

食事は連続しています。

甘いものが欲しくなる理由

「甘いものが欲しい=砂糖依存」

と説明されることがあります。

確かに習慣として甘いものを欲しくなる場合もあります。

しかし、それだけではありません。

食事量が少ない。

朝食を抜いている。

昼食が軽すぎる。

夕食までの時間が長い。

睡眠不足。

ストレスが強い。

こうした状態でも、身体はエネルギーを求めます。

そのとき、

すぐにエネルギーになりそうな甘いもの

が欲しくなることがあります。

だから、

「意志が弱いから甘いものを食べる」

とは限りません。

夕方に甘いものが欲しくなる人

例えば、

朝:コーヒーだけ
昼:サラダ+少量のパン
夕方:チョコレートが止まらない

という場合。

チョコレートだけを禁止しても、うまくいかないことがあります。

そもそも、

朝から十分なエネルギーを摂れていない

可能性があるからです。

この場合は、

「間食を我慢する」

より、

朝食や昼食を見直す

ほうが改善につながることがあります。

空腹になるとイライラする

空腹時に、

イライラする
手が震える
集中できない
力が抜ける
冷や汗が出る

という症状を感じる方もいます。

こうした症状には血糖変動が関係する場合がありますが、症状だけから「低血糖症」と診断することはできません。

本当に血糖値が低下しているのか。

自律神経反応が強く出ているのか。

睡眠不足やストレスが関係しているのか。

医療的な原因がないか。

などを分けて考える必要があります。

特に意識障害などを伴う場合や症状が強い場合には、医療機関での評価が必要です。

血糖値が下がると身体は守ろうとする

血糖値が低下すると、身体にはそれを戻そうとする仕組みがあります。

例えば、

グルカゴン
アドレナリン
コルチゾール

などが関係します。

これらによって肝臓から糖を供給し、血糖値が下がりすぎないよう調節します。

つまり血糖値の維持には、

膵臓だけではなく、肝臓や副腎を含むホルモン系も関係している

ということです。

ストレスと血糖はつながっている

強いストレスを感じたとき、

心拍数が上がる
身体が緊張する
手に汗をかく

といった反応が起こります。

身体は危険に対応するため、

すぐに使えるエネルギーを準備します。

そのためストレスホルモンは血糖調節にも関係します。

これは正常な生理反応です。

しかし慢性的なストレスが続いていると、

睡眠
食欲
血糖調節
自律神経

などが影響を受けることがあります。

だから糖代謝を見るときに、

食事だけを見ていては分からない

ことがあります。

夜中に目が覚めるのも血糖のせい?

「夜中に目が覚めるのは夜間低血糖です」

という説明を見かけることがあります。

しかし、

中途覚醒=低血糖

と決めることはできません。

中途覚醒には、

ストレス
自律神経
室温
アルコール
睡眠時無呼吸
ホルモン変化
排尿
痛み

など、さまざまな原因があります。

糖代謝が関係する可能性はありますが、

一つの症状から原因を決めつけないことが大切です。

糖質を減らしすぎているケースもある

当院で注意しているのが、

「血糖値が怖い」

という理由で糖質を極端に減らしているケースです。

朝は卵だけ。

昼はサラダと肉。

夜もご飯なし。

間食なし。

一見すると、とても健康的に見えるかもしれません。

しかし、

疲れやすい
夕方に動けない
運動するとぐったりする
甘いものへの欲求が強い

などが出ている場合、

そもそものエネルギー摂取量が足りているのか

を確認する必要があります。

糖質を食べたら血糖値が上がった

長期間糖質をかなり減らしている人が久しぶりにご飯を食べ、

「血糖値がすごく上がりました。やっぱり私は糖質が合わないんですね」

と言うことがあります。

しかし、これも慎重に考える必要があります。

低糖質・高脂質の状態が続くと、身体は脂肪酸を優先的に利用する方向へ適応します。

その状態から急に糖質を摂ると、一時的に糖の処理が悪く見えることがあります。

そのため、

一回の血糖値だけで「自分は糖質を食べられない体質」と決めない

ことが大切です。

身体には「代謝の柔軟性」がある

身体は本来、

食事をしたら糖を使う。

食間には脂肪酸も使う。

必要に応じてケトン体も利用する。

というように、状況によってエネルギー源を切り替えています。

これを、

代謝の柔軟性

という考え方で捉えることができます。

当院が目指しているのは、

糖質だけを使う身体でも、

脂質だけを使う身体でもありません。

必要に応じて、どちらも使える身体

です。

食後の眠気を改善するために

まず確認してほしいのは、

前日の睡眠
朝食
昼食までの空腹時間
一回の食事量
甘い飲み物
食物繊維
運動量

などです。

例えば昼食後の眠気が強いなら、

朝に少量でも食べる。

昼を麺だけにしない。

ご飯+主菜+副菜にする。

食後に少し歩く。

睡眠時間を確保する。

こうした基本から見直します。

甘いものを我慢する前に食事を整える

甘いものが欲しくなる人ほど、

「甘いものを禁止しなければ」

と思います。

しかし当院では、

まず食事を整える

ことをおすすめします。

ご飯を食べる。

タンパク質を摂る。

味噌汁を飲む。

野菜や海藻を食べる。

そして必要なエネルギーを確保する。

身体が満たされてくると、

甘いものへの強い欲求が変化することがあります。

「何を抜くか」より「何が足りないか」

健康情報では、

糖質を抜く
脂質を抜く
小麦を抜く
乳製品を抜く
添加物を抜く

という「引き算」が多くなりがちです。

もちろん必要な場合もあります。

しかし、

引き算を続けた結果、身体に必要な栄養まで不足してしまう

ことがあります。

当院では、

「何を食べないか」

より、

「身体が必要としているものを、きちんと食べられているか」

を大切にしています。

まとめ

食後の眠気。

甘いものへの欲求。

空腹時のイライラ。

疲れやすさ。

これらは身体のエネルギー代謝を考えるヒントにはなります。

しかし、

食後の眠気=血糖スパイク
空腹時の不調=低血糖
甘いもの欲求=砂糖依存

と単純に決めることはできません。

食事量。

食事の間隔。

睡眠。

ストレス。

肝臓。

筋肉。

自律神経。

そして糖代謝。

身体ではこれらがつながっています。

だから当院では、

症状一つではなく、その人の生活全体を見る

ことを大切にしています。

そして、

「糖質をどこまで減らせるか」

ではなく、

食べたものをきちんとエネルギーに変えられる身体を作る。

これが、体質改善を考えるうえで大切な視点だと考えています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次