「忙しくなるとニキビが増える。」
「大きなイベントの前になると肌が荒れる。」
「ストレスを感じると吹き出物ができやすい。」
このような経験はありませんか?
「ストレスで肌が荒れる」とよく言われますが、実際にはストレスそのものが肌を荒らしているわけではありません。
東洋医学では、このような状態を「気滞(きたい)」という体質で考えることがあります。
今回は、気滞と肌荒れの関係についてご紹介します。
東洋医学でいう「気」とは?
東洋医学では、「気」は生命活動を支えるエネルギーと考えられています。
気には、
- 血液や水分を巡らせる
- 胃腸を動かす
- 呼吸を整える
- 内臓の働きを調整する
- 心の安定を保つ
など、さまざまな役割があります。
この気がスムーズに流れていることで、体も心も健康な状態を保ちやすくなります。
気滞とは?
気滞とは、「気の流れが滞っている状態」です。
東洋医学では、
- ストレス
- 緊張
- 我慢
- 疲労
などが続くと、気の巡りが悪くなると考えます。
すると、
- イライラする
- 気分が落ち込む
- 胸や喉がつかえる感じがする
- お腹が張る
- 生理前に不調が強くなる
などの症状が現れることがあります。
なぜストレスで肌が荒れるのでしょうか?
「ストレス=肌荒れ」と考えがちですが、その間にはいくつもの変化があります。
例えば、
ストレス
↓
自律神経のバランスが乱れる
↓
胃腸の働きが低下する
↓
消化・吸収がうまくいかなくなる
↓
腸内環境が乱れる
↓
栄養が十分に利用できなくなる
↓
肌のターンオーバーが乱れる
↓
肌荒れやニキビが起こりやすくなる
つまり、ストレスは肌へ直接作用するというよりも、体のさまざまな働きを乱すことで結果的に肌へ影響すると考えられます。
胃腸はストレスの影響を受けやすい
緊張すると食欲がなくなったり、お腹が痛くなったりした経験はありませんか?
これは、自律神経の影響です。
交感神経が優位になると、
- 胃酸の分泌が低下する
- 消化酵素の働きが弱くなる
- 腸の動きが乱れる
- 血流が低下する
といった変化が起こります。
その結果、せっかく栄養のある食事をしても、十分に消化・吸収できないことがあります。
腸内環境も変化する
ストレスが続くと、腸内細菌のバランスも変化すると考えられています。
すると、
- ガスが増える
- お腹が張る
- 便秘や下痢を繰り返す
- 腸の炎症が起こりやすくなる
などの症状が現れることがあります。
腸は栄養を吸収するだけではなく、免疫やホルモンとも深く関わっています。
そのため、腸内環境が乱れると、肌の状態にも影響しやすくなります。
女性ホルモンとの関係
ストレスは女性ホルモンにも影響を与えます。
その結果、
- 生理前だけ肌荒れする
- フェイスラインにニキビができる
- PMSが強くなる
などの変化が現れることがあります。
東洋医学では、「肝」は気の巡りを調整する役割を持つと考えます。
ストレスが続くと「肝」の働きが乱れ、気滞が起こりやすくなります。
その影響は、自律神経や女性ホルモンのバランスにも及ぶと考えられています。
気滞タイプの方によく見られる特徴
気滞タイプでは、
- ストレスで肌荒れする
- 生理前にニキビが増える
- 肩や首がこりやすい
- 深呼吸をすると楽になる
- ため息が多い
- 胸や喉につかえ感がある
- お腹が張りやすい
といった特徴がみられることがあります。
これらの症状は、「気の巡り」が滞っているサインかもしれません。
当院で大切にしていること
当院では、「ストレスが原因ですね」で終わらせることはありません。
ストレスによって、
- 胃腸の働きはどう変化しているのか
- 睡眠の質はどうか
- 腸内環境は乱れていないか
- 栄養は十分に利用できているか
といった背景まで考えます。
鍼灸では、自律神経のバランスを整えながら、胃腸の働きや血流の改善を目指します。
さらに、食事や生活習慣を見直すことで、「ストレスに負けにくい体づくり」をサポートしています。
まとめ
ストレスによる肌荒れは、ストレスだけが原因ではありません。
その背景には、
- 自律神経の乱れ
- 胃腸機能の低下
- 腸内環境の変化
- 栄養不足
- 女性ホルモンのバランスの乱れ
などが複雑に関わっています。
東洋医学では、このような状態を「気滞」という視点から捉えることがあります。
気の巡りを整え、胃腸や自律神経の働きを改善していくことで、肌だけでなく体全体の調子も整いやすくなります。
繰り返す肌荒れに悩んでいる方は、「ストレスがあるから仕方ない」とあきらめるのではなく、その背景にある体の変化にも目を向けてみてはいかがでしょうか。
次回予告
「自律神経が乱れると肌も荒れる? 〜肌は心と体のバランスを映す鏡〜」
次回は、交感神経と副交感神経の働き、睡眠や血流との関係、そして肌のターンオーバーへの影響について、東洋医学と栄養学の両方の視点から詳しく解説します。
