肌は体からのメッセージ 〜繰り返す肌荒れを「体質改善」という視点で考える〜

「スキンケアを変えても肌荒れを繰り返す。」
「皮膚科で治療すると良くなるけれど、しばらくするとまた荒れてしまう。」
「生理前や忙しい時期になると、決まって肌の調子が悪くなる。」

このようなお悩みはありませんか?

これまでこのシリーズでは、

  • 女性ホルモン
  • 肝臓
  • 血虚
  • 陰虚
  • 湿熱
  • ストレス
  • 自律神経
  • 妊活
  • 栄養

など、さまざまな角度から肌についてお話ししてきました。

一見すると別々の問題に見えますが、実はこれらはすべてつながっています。

肌は体の一番外側にある組織です。

だからこそ、体の内側で起きている変化が肌に現れることがあります。

今回はシリーズのまとめとして、「肌を見ることは体を見ること」という当院の考え方をご紹介します。


目次

肌荒れは「肌だけ」の問題でしょうか?

ニキビができればニキビ用の化粧品。

乾燥すれば保湿。

赤みが出れば炎症を抑える。

もちろん、肌そのものへのケアは大切です。

必要に応じて皮膚科を受診し、適切な治療を受けることも重要です。

しかし、

「なぜ繰り返すのか?」

というところまで考えると、肌だけでは説明できない場合があります。

例えば、

  • 生理前になるとニキビができる
  • 便秘になると肌が荒れる
  • 睡眠不足になると吹き出物が増える
  • 強いストレスの後に肌が荒れる
  • 胃腸の調子が悪くなると乾燥する

といった変化です。

このような場合には、肌だけではなく体全体を見ていく必要があります。


まず大切なのが「腸」

体質改善を考えるとき、当院で特に大切にしているのが胃腸です。

私たちの肌は、食べたものを材料として作られます。

しかし、

食べること=栄養になること

ではありません。

食べたものを、

消化する

吸収する

体内へ運ぶ

利用する

という過程が必要です。

胃腸の働きが低下していれば、どれだけ栄養のあるものを食べても十分に利用できないことがあります。

また腸内環境は、栄養吸収だけでなく免疫など全身の働きとも関係しています。

肌と腸の関係については、

腸活で肌は変わるのか? 〜美肌への近道は「腸を整えること」かもしれません〜

でも詳しく解説しています。


腸の状態は肝臓にもつながる

腸から吸収された栄養素やさまざまな物質は、門脈を通って肝臓へ運ばれます。

そのため、腸と肝臓を別々に考えることはできません。

肝臓では、

  • 栄養素の代謝
  • エネルギーの管理
  • 胆汁の生成
  • ホルモンの代謝
  • さまざまな物質の処理

などが行われています。

つまり、

腸で吸収する

肝臓で処理・代謝する

体全体で利用する

という流れがあります。

肌について考えるときにも、この流れが大切です。

詳しくは、

肝臓と肌荒れの意外な関係 〜「解毒」だけではない、肝臓が美肌を支える理由〜

をご覧ください。


女性ホルモンの変化も肌に現れる

「生理前になると肌が荒れる」

という方は少なくありません。

女性の肌は、エストロゲンやプロゲステロンなどのホルモン変化の影響を受けます。

そのため、

  • 生理前にニキビが増える
  • 排卵後に皮脂が増える
  • 生理周期によって乾燥しやすさが変わる

といったことがあります。

しかし、同じホルモン変化が起きても、全員が同じように肌荒れするわけではありません。

ここでも、

  • 腸内環境
  • 肝臓の働き
  • 栄養状態
  • ストレス
  • 睡眠

などが関係してきます。

女性ホルモンとニキビについては、

ニキビと女性ホルモンの関係 〜生理前に肌が荒れる本当の理由〜

でも解説しています。


東洋医学では肌の「見え方」から体質を考える

東洋医学では、「肌荒れ」という症状だけで体質を決めることはありません。

乾燥しているのか。

赤みがあるのか。

皮脂が多いのか。

顔色はどうか。

さらに、

  • 睡眠
  • 胃腸
  • 生理
  • 冷え
  • ほてり
  • 疲労
  • ストレス

などを合わせて体質を考えます。

同じ乾燥肌でも、その背景が異なることがあります。


血虚タイプの肌

東洋医学でいう「血虚」は、体を養う「血」の働きが不足した状態です。

血虚になると、

  • 顔色が悪い
  • 肌にツヤがない
  • 乾燥する
  • 髪がパサつく
  • 爪が弱くなる
  • 疲れやすい

などがみられることがあります。

ここで重要なのは、血虚=貧血ではないということです。

胃腸の働きや食事、睡眠、月経なども含めて考える必要があります。

血虚が肌に与える影響 〜くすみや乾燥は「血」が足りないサインかもしれません〜


陰虚タイプの肌

陰虚は、体を潤し、熱を調整する「陰」が不足した状態です。

陰虚では、

  • 肌が乾燥する
  • 目や口が乾燥する
  • 寝汗をかく
  • 夕方から夜にほてる
  • 手のひらや足の裏に熱感がある

などがみられることがあります。

ここでいう「ほてり」は、必ずしも実際の体温が高いという意味ではありません。

体温計では平熱でも、体を冷ます力が不足することで「熱っぽい」「ほてる」と感じることがあります。

また、陰虚であっても足先などの冷えを同時に感じる方もいます。

陰虚と乾燥肌の関係 〜保湿だけでは改善しない乾燥肌の原因とは?〜

血虚と陰虚の違いについて詳しく知りたい方は、

陰虚と血虚の違い|乾燥・不眠の本当の原因を見分けるポイント

も参考にしてください。


湿熱タイプではニキビや皮脂として現れることも

赤く腫れるニキビや皮脂の多さなどでは、「湿熱」という体質を考えることがあります。

ただし、当院では、

「湿熱だから熱を取ればいい」

とは考えていません。

大切なのは、

なぜ湿熱が生まれたのか

です。

例えば、

  • 胃腸の働き
  • 腸内環境
  • 食事
  • 睡眠
  • ストレス
  • 肝臓

などが背景にあることがあります。

そのため、湿熱そのものだけを見るのではなく、湿熱を作りやすくなっている体の状態を整えることが大切です。

湿熱タイプとニキビ肌 〜ニキビは「熱」が原因ではなく、「熱を作る体」が原因かもしれません〜


ストレスが続くと肌が荒れるのはなぜ?

ストレスが続いたときに、

「突然ニキビが増えた」

「肌がガサガサになった」

という経験がある方もいるでしょう。

ストレスの影響は、肌だけに起こるわけではありません。

自律神経のバランスが変化することで、

  • 胃腸の働き
  • 睡眠
  • 血流
  • 食欲
  • 腸の動き

などにも影響が及びます。

つまり、

ストレス

自律神経

胃腸・睡眠・血流

栄養・回復

という流れで考えることができます。

自律神経と肌の関係については、

自律神経が乱れると肌も荒れる? 〜肌は心と体の状態を映す鏡〜

でも詳しくご紹介しています。

ストレスによる東洋医学的な「気滞」については、

気滞タイプとストレス肌 〜ストレスで肌が荒れるのは、自律神経だけが原因ではありません〜

もあわせてご覧ください。


栄養を「摂る」だけでは足りない

肌のために、

「鉄を飲んでいます」

「ビタミンCを摂っています」

「プロテインを飲んでいます」

という方もいらっしゃいます。

もちろん、必要な栄養素を摂ることは大切です。

しかし、それ以上に重要なのが、

その栄養を消化・吸収し、体内で利用できているか

ということです。

肌を作るためには、

  • タンパク質
  • 亜鉛
  • ビタミンB群
  • ビタミンA
  • ビタミンC
  • 必須脂肪酸

など、多くの栄養素が必要です。

しかし、胃腸の状態が整っていなければ、単純にサプリメントを増やすだけでは十分ではないことがあります。

栄養不足が肌に与える影響 〜食べているのに肌がきれいにならないのはなぜ?〜


妊活中の肌の変化も体を見るヒントになる

妊活中は、

  • 月経周期
  • 採卵
  • 排卵誘発
  • ホルモン補充
  • 移植周期

などによってホルモン環境が大きく変化することがあります。

そのため、肌質が変化することもあります。

しかし、その変化を「薬やホルモンのせい」とだけ考えるのではなく、

  • 胃腸の状態
  • 栄養
  • 睡眠
  • 自律神経
  • 血虚
  • 陰虚
  • 湿熱

なども含めて見ることで、現在の体の状態を考えるヒントになります。

妊活中に肌質が変化する理由 〜ホルモンだけでは説明できない肌の変化とは〜


肌が変わることも体質改善の一つの指標

当院では、肌を美容だけの問題とは考えていません。

体質改善を続けていく中で、

「肌のツヤが出てきた」

「乾燥しなくなった」

「ニキビが治るのが早くなった」

「顔色が良くなった」

といった変化が現れることがあります。

こうした変化は、体の栄養状態や血流、胃腸の働きなどを考える一つのヒントになります。

症状だけを見るのではなく、体全体がどのように変化しているのかを見ることを大切にしています。


当院が考える「肌質改善」

肌質改善というと、美容施術や化粧品を思い浮かべる方が多いでしょう。

もちろん外側から肌を整えることも大切です。

しかし当院では、

肌を整えること=体の内側を整えること

という視点も大切にしています。

そのため、

  • 胃腸
  • 腸内環境
  • 栄養
  • 肝臓
  • 女性ホルモン
  • 自律神経
  • 睡眠
  • 東洋医学的な体質

などを総合的に確認します。

そして、

「肌荒れを治す」だけではなく、「なぜ肌荒れが起こっているのか」を探す。

これが当院の体質改善の考え方です。


まとめ|肌だけを見ないことが肌質改善につながる

繰り返す肌荒れの背景には、



栄養吸収

肝臓・代謝

ホルモン・血流・自律神経

という体全体のつながりが隠れていることがあります。

さらに東洋医学では、

  • 血虚
  • 陰虚
  • 湿熱
  • 気滞

など、一人ひとり異なる体質から肌の状態を考えます。

だからこそ、同じニキビや乾燥肌でも、必要なアプローチは同じとは限りません。

肌は、毎日鏡で確認できる体の一部です。

だからこそ、肌の変化は体の内側で起きている変化に気づくきっかけにもなります。

肌だけを見るのではなく、肌を通して体を見る。

繰り返す肌荒れに悩んでいる方は、「何を塗るか」だけではなく、「今、自分の体で何が起きているのだろう?」という視点を持ってみてはいかがでしょうか。

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