夏の冷たい飲食が、秋の胃腸不調として現れる?夏の疲れと自律神経の関係

秋になって涼しくなってきたのに、

「最近、胃が重い」

「食欲がいまひとつ戻らない」

「食べるとお腹が張る」

「便通が安定しない」

「身体が重く、疲れが抜けない」

このような不調を感じることはありませんか?

秋になってから胃腸の調子を崩すと、

「急に寒くなったからかな?」

と思うかもしれません。

もちろん寒暖差も関係します。

しかし当院では、秋の胃腸不調を考えるときに、その方が夏をどのように過ごしていたのかも確認します。

暑い夏を乗り切るために、冷たい飲み物、アイス、そうめんなどの冷たい食事が増えていなかったでしょうか。

さらに、暑さによる食欲低下、睡眠不足、冷房による身体の冷えなどが重なると、夏の間から胃腸の調子を崩している方もいます。

つまり秋の胃腸不調は、

秋になって突然起きたのではなく、夏から続いていた身体の負担が、季節の変化とともに表面化している

こともあるのです。

目次

「夏に冷たいものを食べたから秋に胃が悪くなる」という単純な話ではありません

ここは少し誤解されやすいところです。

「夏にアイスを食べたから、2か月後に胃腸が悪くなった」

という意味ではありません。

食べたものが何か月も胃の中に残っているわけではありません。

大切なのは、夏の生活全体によって胃腸の調子を崩した状態を、そのまま秋まで引きずっていないかということです。

夏は気温が高いため、

  • 冷たい飲み物が増える
  • アイスなどを食べる機会が増える
  • 冷たい麺類が増える
  • 暑さで食欲が落ちる
  • 食事量が減る
  • 冷房の効いた室内で過ごす
  • 暑さで睡眠が浅くなる

など、胃腸だけでなく身体全体に負担がかかりやすい生活になります。

一つ一つは大きな問題にならなくても、こうした状態が何週間も続けば、胃腸の調子がなかなか戻らない方がいても不思議ではありません。

夏の胃腸不調については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

→ 夏に多い胃腸の不調。その原因は「冷え」と「自律神経」の乱れかもしれません

冷たい飲み物を一気に飲むと、胃の中では何が起こる?

暑い日にキンキンに冷えた水やジュースを飲むと、とても気持ちがいいものです。

冷たいものを口にしたからといって、それだけで胃腸が悪くなるわけではありません。

しかし、もともと胃腸が弱っている方では、

「冷たいものを飲むとお腹が痛くなる」

「アイスを食べると下痢をする」

「冷たい飲み物をたくさん飲むと胃が重くなる」

と感じることがあります。

特に夏は、冷たい飲食物を一度だけ摂るのではありません。

朝から冷たいお茶。

昼には冷たい麺。

午後にはアイス。

夜には冷たいビールやジュース。

というように、一日を通して冷たいものが続くことがあります。

そこへ冷房による冷えや暑さによる疲労まで重なります。

そのため当院では、

「冷たいものが悪い」と考えるのではなく、胃腸が弱っている状態でどの程度負担が重なっているのか

を見るようにしています。

夏は「食べる量が減る」ことにも注意

冷たい飲食物だけに注目すると、もう一つ大切なことを見落としてしまいます。

それが夏の食事量の低下です。

暑くなると、

「食欲がないから朝食はいらない」

「昼はそうめんだけ」

「夜もあまり食べたくない」

という方が増えます。

すると、身体が一日に必要とするエネルギーや栄養を十分に摂れなくなることがあります。

私たちの身体は、何もしなくても、

  • 呼吸する
  • 心臓を動かす
  • 体温を維持する
  • 消化する
  • 身体を修復する

ためにエネルギーを使っています。

食べる量が少ない状態が長く続けば、身体を回復させるための余裕も少なくなります。

そのため、

夏の食欲低下 → 食事量低下 → 疲労が抜けない → 秋になっても身体が戻らない

という流れも考える必要があります。

だからこそ、当院では朝食を抜くことを基本的にはおすすめしていません。

食欲がない方でも、味噌汁やご飯など、食べられるものから少しずつ「朝に食べる」というリズムを戻していくことが大切です。

胃腸と自律神経は切り離して考えられません

胃腸は食べ物だけで働いているわけではありません。

胃腸の働きには自律神経も深く関係しています。

暑さ。

睡眠不足。

仕事のストレス。

冷房と外気の温度差。

そして秋になってからの朝晩の寒暖差。

こうした環境変化に身体が対応するときにも、自律神経が関わっています。

つまり夏から秋にかけては、

食事の問題だけでなく、胃腸・自律神経・睡眠・体温調節をまとめて考える必要がある

ということです。

「胃薬を飲んでいるけれど、なんとなく胃の調子が戻らない」

という方では、胃だけでなく睡眠や身体の緊張、生活リズムなども一度振り返ってみるとよいかもしれません。

自律神経と腸についてはこちらの記事群も参考になります。

→ 自律神経に関する記事一覧|はり灸院あず

秋になると、さらに寒暖差が加わります

夏の暑さが落ち着けば、身体は楽になるように感じます。

ところが秋になると、今度は一日の寒暖差が大きくなります。

朝は寒い。

昼間は暑い。

夕方から再び冷える。

私たちの身体は、そのたびに体温を調節しています。

夏の疲れが十分に回復している方なら問題にならない程度の変化でも、すでに疲労が蓄積している方には負担になることがあります。

前の記事でもお伝えしたように、

寒暖差だけで自律神経が乱れるというより、すでに余裕が少なくなっている身体へ新たな負担が加わる

と考えると分かりやすいと思います。

→ 朝晩の寒暖差で体調を崩すのはなぜ?秋と自律神経の関係

東洋医学では「脾胃」と「湿」を考えます

東洋医学では、食べ物を消化・吸収し、身体を養う働きを「脾胃(ひい)」という考え方で捉えます。

そして脾胃は、冷えや過剰な水分などの影響を受けやすいと考えられてきました。

そのため、

  • 身体が重い
  • むくみやすい
  • 食欲がない
  • お腹が張る
  • 軟便になりやすい
  • 頭が重い
  • 疲れやすい

といった状態が重なる場合、単純な「胃の不調」だけではなく、身体の水分バランスも含めて考えます。

東洋医学では、身体に余分な水分が停滞した状態を「水滞(すいたい)」や「水毒(すいどく)」などと表現することがあります。

当院の臨床でも、

胃腸の不調+身体の重だるさ+むくみ

が一緒にみられる方は少なくありません。

実際に梅雨時期の臨床でも、めまい、身体の重だるさ、背中の張りなどがある方に、胃腸の疲れが重なっているケースがみられました。

→ 臨床こぼれ話|梅雨時期、「胃腸が弱っていますね」という方が増えています

秋だからといって、急に「温めすぎる」のも注意

夏に身体を冷やしてしまった。

だから秋になったら、とにかく温めよう。

こう考えたくなるかもしれません。

もちろん温かい汁物を取り入れたり、湯船につかったりすることは、秋の身体を整えるうえで役立ちます。

ただし当院では、

「冷えた=温めればすべて解決する」

とは考えていません。

例えば、

足は冷えるのに顔はほてる。

口が乾く。

寝汗をかく。

身体が熱くて眠れない。

疲れているのに身体の緊張が抜けない。

こうした方では、単純に温めすぎるとかえって不快感が強くなることもあります。

身体を「冷え・熱」だけで判断するのではなく、胃腸、睡眠、むくみ、疲労、緊張なども含めて考えることが大切です。

秋の胃腸を立て直す食事

胃腸が疲れているときほど、

「何か身体にいいものを摂らなければ」

と思ってしまいます。

しかし、特別な健康食品を追加する前に、まず普段の食事を戻してみましょう。

当院では、基本的には和食をおすすめしています。

例えば、

ご飯。

味噌汁。

魚。

卵。

豆腐。

煮物。

おひたし。

などです。

ポイントは、

「栄養価が高いものをたくさん食べる」より、「今の胃腸で無理なく消化できるものを食べる」こと。

夏に食事量が減っていた方は、いきなり大量に食べる必要はありません。

少しずつ食事量を戻していきましょう。

また、健康のために野菜や発酵食品をたくさん食べているのに、逆にお腹が張る方もいます。

その場合は食物繊維や発酵食品を増やせばよいとは限りません。

お腹の張りやガスが強い方はこちらも参考にしてください。

→ FODMAPとは?腸活で知っておきたい「お腹が張る食べ物」の正体

はり灸院あずでは胃だけをみるのではなく、身体全体をみます

秋になって胃腸の不調が出たとしても、その背景は人によって違います。

夏に食欲が落ちていたのか。

冷たい飲食物が多かったのか。

睡眠不足だったのか。

ストレスが強かったのか。

身体が冷えているのか。

むくみが強いのか。

身体の緊張が抜けないのか。

はり灸院あずでは、

胃腸・自律神経・睡眠・食事・身体の緊張・東洋医学的な体質

などを含めて身体全体を確認します。

鍼灸や刺激の少ない整体などを組み合わせながら、その方の身体の状態に合わせて整えていきます。

特に季節の変わり目に毎回体調を崩す方では、

「今回の胃痛をどうするか」

だけではなく、

「なぜ季節が変わるたびに身体が対応できなくなるのか」

という視点を持つことも大切です。

まとめ|秋の胃腸不調は「夏からの続き」かもしれません

秋になって胃腸の調子が悪くなったからといって、原因が秋にあるとは限りません。

夏の暑さ。

冷たい飲食物。

食欲低下。

食事量の減少。

冷房。

睡眠不足。

こうしたものが重なって胃腸や身体の調子を崩し、十分に回復しないまま秋を迎えていることがあります。

そこへ朝晩の寒暖差が加われば、身体にはさらに調節が必要になります。

だからこそ、

「夏に冷たいものを食べたから胃腸が悪くなった」

という単純な話ではなく、

「夏にどれくらい身体を消耗し、その状態から回復できているか」

という視点で考えてみてください。

秋は食欲の秋でもあります。

しかし、胃腸が疲れているときに無理にたくさん食べる必要はありません。

まずは温かい汁物やご飯などの消化しやすい食事から、少しずつ食生活を整えていきましょう。

夏に頑張った胃腸を休ませ、冬に向けて身体を立て直していく。

秋はそのための大切な季節です。

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