不妊治療で知ってほしい体のこと。扁桃と副腎の関係①

不妊治療をしている方に知ってもらいたい体のことを書いていきたいと思います。

体の仕組みを知ることはいろいろな情報に惑わされないことにもつながるので、最後まで読んでいただけると幸いです。

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慢性的な症状は扁桃が関係している?

偏桃というと「喉」をイメージする方も多いのではないでしょうか。

咽頭の粘膜の中にあるリンパ細胞からできた小胞の集合体.口蓋扁桃,咽頭扁桃,舌扁桃,耳管扁桃です。

これら扁桃は、鼻や口から侵入する病原微生物に対して防御的機能をもつ免疫臓器(めんえきぞうき)と考えられています。

一方、病原微生物の標的になる感染臓器でもあり、このような免疫臓器と感染臓器の二面性をもつのが、扁桃の特徴です。

免疫臓器と感染臓器

免疫臓器であり感染臓器という矛盾した性質でバランスをとっています。

扁桃の炎症は心身のストレスにより容易に起こります。

疲れ、加齢、外傷、寒冷、環境変化、異常気象、大気汚染

などとても身近な影響を受けやすく、変調に気づかずに生活していることがあります。

今年に入ってから喉の異常を訴える方が多くいらっしゃいます。

インフルエンザや風邪などがしっかり治っていなかったり、花粉症はもちろん、花粉症でなくても喉に花粉がつくことで扁桃が炎症を起こしていることも多いように感じました。

このような状態が続くと、自律神経のバランスを崩して交感神経緊張状態がつづきます。

そして、自律神経が乱れた状態が続くと体は炎症モードに入っていき、慢性的な扁桃炎になっていきます。

扁桃が炎症を起こしていることで、細菌毒素や菌代謝産物、炎症組織成分が体液中で抗原となります。

これを抗原抗体反応と言います。

抗原抗体反応とは外部から侵入した異物(抗原)とそれに対抗して出来た抗体が特異な反応を起こした時に出る症状です。

本来であれば、身体を防衛する仕組みによる反応ですがこの仕組が過剰に働くことで強い反応を示し人体に有害になる場合があります。それがアレルギーです。

アレルギー病変により諸臓器の結合組織が悪影響を受けます。

弱い臓器、器官に病的症状や疾患が発症します。これを「二次感染」と言います。

多くの疾患が扁桃の二次感染が原因と考えられるので、慢性扁桃炎の改善で各疾患が改善されてくるといえます。

扁桃の二次感染による症状は

全身倦怠感、肩首こりや痛み、五十肩様痛

食欲不振、むかつき、腹痛、咽頭異物感、脱力感、腎炎

リウマチ性関節炎、慢性皮膚疾患、慢性微熱、不眠、イライラ等の神経疾患

ほてり、冷え等の血管運動神経失調、心内膜炎

その他、腰痛、神経痛、頭痛、頭重、関節炎、めまい、耳鳴り等の一般症状

慢性的な「皮膚疾患」「循環器疾患」「神経系疾患」「消化器系疾患」「泌尿器系疾患」

「運動器疾患」等においては「お血症」を併存してることが多いです。

こうみてみると、実に多くの症状が扁桃由来といえるでしょう。

そして扁桃の炎症や二次感染による症状に副腎皮質が関与してくるのです。

副腎皮質ホルモン

副腎皮質から分泌されるホルモンは「鉱質コルチコイド」「糖質コルチコイド」「アンドロジェン」です。

これらはステロイドホルモンと言われ、他のステロイドホルモンは、男性ホルモン、女性ホルモンです。

鉱質コルチコイドは体内にナトリウムを保つ働きをしてくれています。

糖質コルチコイドは血糖値が下がりそうな時に肝臓に貯蔵されているグリコーゲンに働きかけて分解してブドウ糖を作ります。ほかにも作用はありますがここでは割愛させていただきます。

アンドロジェンは男性ホルモンともいわれています。男性ホルモンのほとんどは精巣でつくられますが、副腎から分泌されるアンドロジェン(男性ホルモン)は男性化の作用があります。

女性の場合はストレスにより女性ホルモンが減少すると、ストレスに対抗するために糖質コルチコイドを分泌させるように下垂体から副腎皮質刺激ホルモンがでます。

それがアンドロジェンの分泌にも作用して男性化がおこり体毛が濃くなることにつながります。

ストレスは女性ホルモンの低下と男性化が起こるダブルパンチ!

女性にストレスがよくないというのはこういった理由からですね。

ステロイドの役割

お薬でもステロイド薬はよく知られたお薬だと思います。

アトピーに使われているのもステロイド薬ですね。

ステロイド薬の目的は炎症を抑えることです。

そして、この炎症を抑えるはたらきは元来、私たちの体にあるステロイドモルモンの糖質コルチコイドの働きなのです。

これでやっと話がつながってくるのですが、糖質コルチコイドは体の炎症に反応して炎症を抑えることをします。

扁桃の慢性炎症があるというのは、常に炎症を抑える糖質コルチコイドの分泌が続いています。

副腎皮質にかなりの負担をかけていることになるのですね。

そして糖質コルチコイドは肝臓に働きかけてブドウ糖を作り血糖値を上げています。

つづきは扁桃と副腎②で書きます。

様々なホルモンや自律神経が関与して絶妙なバランスを保っていますが、扁桃の不調はからだのバランスを崩すキーポイントになるのではないかと考えています。

昔から言われている、うがい手洗いをするという言葉一つですが、奥が深いですね。

 

 

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