フェリチン不足で起こりやすい症状
① 疲れやすい・だるい
最も多い症状です。
- 朝から疲れている
- 十分寝ても回復しない
- 午後になると動けなくなる
鉄は細胞でエネルギーを作るミトコンドリアにも必要なため、不足するとエネルギー産生が低下します。
② 集中力・記憶力の低下
- 集中できない
- 物忘れが増えた
- 頭がぼーっとする
- 仕事や勉強の効率が落ちる
脳では鉄が神経伝達物質の合成に必要です。
③ 気分の落ち込み・不安
鉄は
- ドーパミン
- セロトニン
- ノルアドレナリン
などの神経伝達物質を作る酵素にも関わっています。
不足すると
- やる気が出ない
- 不安感
- イライラ
- 抑うつ傾向
などがみられることがあります。
④ めまい・立ちくらみ
貧血になる前でも
- 立ちくらみ
- ふらつき
- 頭が重い
などを感じる人がいます。
⑤ 息切れ・動悸
運動すると
- 心臓がドキドキする
- 階段で息が切れる
ヘモグロビンが正常でも起こる場合があります。
⑥ 抜け毛・髪が細くなる
美容外来でもフェリチンは重要視されています。
- 抜け毛
- びまん性脱毛
- 髪にハリ・コシがない
などと関連することがあります。
⑦ 爪が割れる・スプーン爪
- 二枚爪
- 爪が柔らかい
- 爪が反る(スプーン爪)
なども代表的です。
⑧ 肌荒れ
- 肌が乾燥する
- 傷が治りにくい
- 顔色が悪い
鉄はコラーゲン合成にも関わっています。
⑨ むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)
夜になると
- 足がムズムズする
- 動かしたくなる
- 寝られない
これはフェリチン低下との関連が比較的よく知られています。
⑩ 氷を食べたくなる(氷食症)
鉄欠乏に特徴的な症状です。
- 氷ばかり食べる
- 冷たいものが異常に欲しくなる
という方は鉄不足が隠れていることがあります。
⑪ 冷え性
鉄不足では
- 手足が冷たい
- 寒がり
という方も少なくありません。
⑫ 免疫力の低下
鉄は免疫細胞の働きにも必要です。
- 風邪をひきやすい
- なかなか治らない
などにつながることがあります。
妊活との関係
妊活ではフェリチン不足は特に重要です。
不足すると
- 排卵機能への影響
- 卵胞の発育への影響
- 子宮内膜の状態への影響
- 妊娠後の鉄需要に対応しにくい
などが懸念されます。
また妊娠初期は胎児へ多くの鉄が送られるため、妊娠前から十分な鉄を蓄えておくことが大切と考えられています。
フェリチンはどれくらいあればいい?
一般的な基準値は施設によって異なりますが、
- 15 ng/mL未満:鉄欠乏が強く疑われます。
- 30 ng/mL未満:鉄の貯蔵が少ない可能性があります。
- 30~100 ng/mL:多くの人で十分な範囲とされますが、症状や背景によって評価は異なります。
一方で、フェリチンは炎症や感染症、肝疾患などでも高くなるため、「高い=鉄が十分」とは限りません。炎症反応(CRPなど)や血算、血清鉄、総鉄結合能(TIBC)、トランスフェリン飽和度(TSAT)なども合わせて総合的に判断することが重要です。
鍼灸院で感じること
妊活や自律神経の不調で来院される方の中にも、検査では「貧血ではない」と言われながら、フェリチンが低いケースは少なくありません。
「疲れやすい」「抜け毛が増えた」「めまいがする」「集中できない」といった症状が続く場合は、ヘモグロビンだけでなくフェリチンを含めた鉄代謝全体を確認することで、不調の背景が見えてくることがあります。
ただし、鉄不足の原因には月経過多、消化管からの出血、食事・吸収の問題などさまざまなものがあります。自己判断で鉄剤を続けるのではなく、原因も含めて医療機関で評価を受けることが大切です。
