ストレスとホルモンの関係 〜HPA軸と東洋医学のつながり〜

「なんとなく疲れが抜けない」「生理周期が乱れやすい」「最近眠りが浅い」
そんな不調の背景には、“ホルモンのバランス”と“ストレス”が深く関わっています。

私たちの体は、ストレスを感じると「HPA軸(視床下部‐下垂体‐副腎軸)」という仕組みを通して、
副腎からコルチゾールという“抗ストレスホルモン”を分泌します。


ストレスが続くと起こること

コルチゾールは、血糖の維持や炎症のコントロールなどをしてくれる大切なホルモンです。
しかし、ストレスが続くとこのコルチゾールを作るために「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という女性ホルモンの材料が多く使われてしまいます。

その結果、プロゲステロンが減り、エストロゲンが優位になる(=エストロゲン過剰)状態に。
これが、PMS(月経前症状)・むくみ・情緒不安・肌荒れなどの原因にもつながっていきます。


東洋医学でみると…

東洋医学では、この状態を「腎」と「肝」のバランスの乱れとして捉えます。

  • ストレスで気が滞る → 「肝気鬱結」
  • 長引くストレスでエネルギーを消耗 → 「腎虚」
  • さらに疲れが続くと → 「陰虚火旺(のぼせ・不眠)」

つまり、心身がずっと“戦っている”状態なんですね。


鍼灸でできること

当院では、副腎や自律神経の働きを整える目的で
「照海」「兪府」「解谿」などのツボを使い、ホルモンのリズムを優しく整えていきます。

また、「神門」「百会」「太衝」などを組み合わせることで、
ストレスによって過剰に働いている脳の緊張を和らげ、
HPA軸が本来のリズムを取り戻すようサポートします。

施術後には、
「呼吸が深くなった」「頭が軽い」「気持ちが落ち着く」
と感じる方が多くいらっしゃいます。


心とからだを同時に整えるケアを

ストレスは避けられないものですが、
からだのリズムを整えておくことで、ホルモンや自律神経が崩れにくくなります。

睡眠・食事・深呼吸、そして定期的な鍼灸ケア
それらを組み合わせることで、
「がんばらなくても整うからだ」を目指していきましょう。

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